郷土の偉人思いはせ 後藤新平顕彰会 輪読会を隔月開催 10年で書籍4冊読破【奥州】
後藤新平顕彰会(山口了紀会長)は、輪読会「後藤新平を読む」を隔月開催している。後藤新平に関する書籍を音読し、それにまつわる話題を語り合う。10年ほど続く取り組みには会員らが訪れ、多方面で才能を発揮した偉人への思いを募らせている。
輪読会は、同顕彰会が調査研究事業の一つとして調査研究部会が開催。これまでに「正伝 後藤新平」など4冊を読破した。16年からは496ページある「後藤新平 日本の羅針盤となった男」(山岡淳一郎著、草思社文庫)を読んでおり、260ページほど進んでいる。
17日は、山口会長が「資料を読み合ってざっくばらんにお話する楽しい場にしていきたいと思う」とあいさつし、台湾民政長官時代の鉄道敷設や満州に鉄道をと進言したエピソードを描いた「戦後モデルは東インド会社」などを朗読した。
参加者は、台湾で鉄道敷設に尽力した新平について話しながら、台湾への視察旅行で訪れた際に当時の製糖工場が公園化されていたこと、博物館で後藤新平像と対面した感動などを語った。
また、山口会長は同日のエピソードにちなんで、シベリア鉄道爆破を画策したとしてロシアにスパイで処刑された、花巻市東和ゆかりの自由民権志士横川省三(1865~1904年)を紹介した。
板澤夏美部会長は、輪読会について「一緒に本を読み、話題を広げながらしゃべっていくことが、より深く後藤新平への興味を湧かせてくれ、先人の偉業を語り伝えていくことにつながる」と話し、参加者の拡大に期待している。
輪読会は、申し込みなどは必要なく自由に参加できる。奇数月第3木曜日の午前10時から正午まで、奥州市水沢の後藤新平記念館で行っており、会員に限らず参加できる。より広く参加しやすくしようと、2018年度に後藤伯記念公民館から会場を変更した。