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啄木の中学時代に焦点 盛岡てがみ館・特別展 後輩らの手紙が伝える姿

後輩らの手紙を通じて盛岡中学時代の啄木の姿を紹介している盛岡てがみ館の特別展

 盛岡市中ノ橋通の盛岡てがみ館で、特別展「啄木をめぐる人々~盛岡中学時代~」が開かれている。同市出身の歌人石川啄木と盛岡尋常中学校(現県立盛岡一高)時代に親交があった人々による手紙を通じ、啄木の人となりを伝えている。

 啄木は1898(明治31)年、128人中10番の成績で盛岡尋常中学校に入学。海軍を志望していたが、上級生の影響で文学に関心を持ち、後の言語学者金田一京助らとの交流を通じ文芸活動にのめり込んだ。その後、学業がおろそかになり学校を抜け出すようになったほか、試験での不正行為で落第が確定し、1902(明治35)年に退学した。

 同展では、啄木の人生の転機となった盛岡中学時代の様子が分かる手紙や写真を紹介。金田一の弟平井直衛が雑誌「啄木研究」に寄せた原稿をはじめ、ともに啄木の1年後輩の岡山儀七と小林茂雄、2年後輩の金子定一らが啄木研究者吉田孤羊に宛てた手紙など計14点を展示している。

 このうち岡山は、中学2年で啄木と知り合い、短歌グループ「白羊会」の同人となった。吉田宛ての手紙では、啄木が金田一の字を本物そっくりにまねたというエピソードに触れながら、「少年時代の石川君は文章でも詩でも(中略)歌でも、他人の感化をすぐ受け容れることの出来る人でした」と、啄木の柔軟な感性に着目している。

 同展は4月24日まで。時間は午前9時~午後6時。毎月第2火曜(祝日の場合は翌日)と、2月19~25日は展示品入れ替えのため休館。

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