江戸時代からの多様な縁起物 テーマ展「めでた尽くし」 歴史文化館・18日まで【岩手】
盛岡市内丸のもりおか歴史文化館で、テーマ展「めでた尽くし」が開かれている。七福神の人形など、江戸時代から近代にかけての暮らしに根差した多様な縁起物を展示し、当時の人々の信心深さを伝えている。18日まで。
年末年始や受験シーズンに注目の集まる縁起物をテーマに開催。江戸時代の物を中心に、七福神をかたどった花巻人形をはじめ、天下泰平や五穀豊穣(ほうじょう)を願う内容の能「三番叟(さんばそう)」を描いた掛け軸、華やかな模様の夜着など同館所蔵の約40点を展示している。
このうち夜着は、江戸時代の大名の嫁入り道具の一つで、寝具として用いられた。松竹梅や鶴亀など、きらびやかでめでたい図柄が大胆にあしらわれている。
このほか、打出の小槌(こづち)や千両箱、七宝など、縁起が良いとされるモチーフをパネルで紹介。どの展示物と関連しているのか、ゲーム感覚で楽しめる工夫が施されている。
開館時間は午前9時~午後6時。同展担当の太田悌子主任学芸員は「当時の人々は身分を問わず縁起物を暮らしに取り入れ、切実に平穏を願っていた。平和の象徴である品々を見て楽しんでほしい」と話している。