北上・西和賀

銀ゲキ部 高校生演劇後押し 柳澤さん(西和賀3年)脚本「月面、着陸。」 東京で上演、反響呼ぶ

オリジナルの脚本が「高校演劇サミット」で上演された銀ゲキ部の柳澤さん。高校生を中心に活動が活発化している

 西和賀町民による銀河ホール演劇部(銀ゲキ部)で、高校生を中心とした活動が活発化している。柳澤あゆみさん(県立西和賀高3年)が執筆したオリジナル脚本が東京都での「高校演劇サミット2018」で上演され、演劇ファンの反響を呼んだ。町内で3月に開かれる「いわて銀河ホール高校演劇アワード2019」に向け、生徒らの意欲は増している。

 銀ゲキ部は、同町に演劇専用に整備された同ホールを有効活用し、まちづくりと地域活性化を進めようと2017年度に発足。活動初年度に柳澤さんが書き上げたオリジナル作品「月面、着陸。」は、高校生の主人公と遠く離れた見知らぬ相手「月」がスマートフォンを通じて交流するユニークな物語で、18年の旗揚げ公演を飾った。

 西和賀高に演劇部はないが、銀ゲキ部所属の生徒は活動を通して他校との新たなつながりを育んでいる。18年初めて開かれた同アワードに共に参加した盛岡市立高もその中の一校。交流を通して「月面、着陸。」は盛岡市立高でも人気となり、同サミットで上演されることとなった。

 同サミットはこまばアゴラ劇場(東京都)などが主催し、同劇場で18年12月27~29日に開催。一ジャンルとして高校演劇の魅力を広めようと開かれている。同劇場での公演は原則として劇場側が直接精査・選定する方式で、柳澤さんの作品は格調高い舞台で披露された。上演台本の販売も行われ、出演の3校中最も早く完売するほどだった。

 柳澤さんは「うれしさもあるが驚いた。西和賀で書かれた作品が東京で上演されるというのがすごい。生活で感じたことを題材に盛り込んで書いたので、他校にも共感しやすい部分があったのではないか」と話す。

 銀ゲキ部には現在17人が所属し、高校生は8人。18年末に第2回公演も行って盛り上がっており、演出を競い合う同アワードにも挑戦する。高校卒業を控え、柳澤さんは「出場したい後輩の意見を尊重し、協力する。これから芸術や表現活動をやりたい生徒が出てきたときに、有志として取り組んだ前例をつくりたい」と意気込む。

 銀ゲキ部実行委員で同ホールアートコーディネーターの小堀陽平さんは「銀ゲキ部は、若者にチャレンジする可能性を感じてほしくて始めた取り組み。町で数少ない高校生たちに火が付いたことは大きい」と喜んでいる。

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