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「スマートバス停」試験開始 IoT技術を活用 県交通 1年かけ課題検証【岩手】

盛岡バスセンター(ななっく前)バス停に設置されたスマートバス停

 盛岡市以南の地域に路線バスを運行する岩手県交通(本田一彦代表取締役会長兼社長)は20日、IoT(モノのインターネット)技術を活用した「スマートバス停」の試験運用を開始した。平日1日当たり約600台のバスが停車する同市の盛岡バスセンター(ななっく前)バス停に設置。今後1年をかけて設置拡大の可能性や運用上の課題を探る。

 西鉄エム・テック(福岡市、楳木賀久代表取締役社長)と、安川情報システム(北九州市、遠藤直人代表取締役社長)が共同開発したシステムを利用。視認性の高い55インチの大型モニターに、携帯電話網を使ってデジタルデータを送り、直近4時間のバス時刻表をはじめ、ニュース、同社のPR、緊急情報などのコンテンツを表示することができる。

 スマートバス停の導入は、バスの時刻表を張り替えるコストや手間を軽減し、バス停の役割を高めることで利用客の利便性向上を図るのが狙い。岩手県交通では広範なエリアに約5000のバス停があり、ダイヤ改正のたびに対象となるバス停の時刻表を手作業で張り替えてきた。

 スマートバス停にすれば、同社のダイヤシステムと連動することで、ダイヤ改正日にデータを送信するだけでよく、張り替え作業にかかる手間や労働力を省くことができる。

 ただ、一度に全てのバス停をスマートバス停にするには初期投資が多額になることから、今後1年をかけて繁華街など人通りの多い路線など導入区域の検討や、電気代・通信費用、メンテナンスなど維持管理コストなど運用上の課題を検証していく。

 さらに電源設備にヒーターを付属させ寒冷地での機能維持、盛岡地区で採用されているバスロケーションシステムの老朽化に伴いバス現在位置表示機としての機能を視野に入れた運用なども検討する。

 同日は現地で関係者が出席してスマートバス停の設置式が行われた。本田会長は「一つの営業所管内のバス停をスマートバス停にするのが一番の効率化だが、まずはエリアを絞って導入の拡大を目指したい。皆さんの知恵を借り、提案を頂きながらより充実したものにしていきたい」と話している。

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