一関・平泉

歌声 海の町まで 一関中特設合唱部コンサート 東日本大震災8年

「未来につなぐ歌コンサート」で、沿岸被災地に向けて歌声を響かせる一関中特設合唱部の生徒

 東日本大震災から8年を迎えるのを前に、一関市立一関中学校特設合唱部は10日、「未来につなぐ歌コンサート」をJR一ノ関駅前で開いた。生徒たちが沿岸被災地に届くよう、犠牲者の鎮魂を祈って歌声を響かせた。

 5年連続となるコンサートには1、2年生約40人が出演。「未来に受け継ぎたい曲」をテーマとして9曲を歌い上げた。

 生徒はNHK朝の連続テレビ小説の主題歌だった「おひさま~大切なあなたへ」をはじめ、女声合唱での「春よ、来い」、今という瞬間の大切さを伝える「リフレイン」、縁の奥深さを感じさせる「糸」などを熱唱。歌で被災地を応援しようとのプロジェクトで書き下ろされた合唱曲「ほらね、」で締めくくった。

 青空の下、駅利用者ら100人以上が足を止め、爽やかな歌声に聴き入った。初めて同コンサートに訪れた高橋杏奈さん(10)=一関小学校4年=は「知っている人もいて、きれいな声だった」、祖母の佐藤光子さん(76)=同市五十人町=は「内陸では沿岸と比べて震災が忘れられそうになるが、こうして復興支援が続いていることは素晴らしい」と余韻に浸っていた。

 終演後、部長の稲邊心音さん(2年)は「たくさんの人に私たちの歌声を聴いてもらえ、しっかり届けられたと思う。ボランティアや募金もしていきたい」と語った。指揮を執った同部顧問の綱川美代子教諭は「部員の顔触れは毎年変わるが、震災を風化させない取り組みをつないでいければいい」と話していた。

 コンサートの前後には同校厚生委員会の生徒が、震災で親を失うなどした子供を支援する「いわての学び希望基金」への協力を来場者に呼び掛けた。

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