「3.11」思い共有 被災時の食体験 南小・おにぎり持参し給食【一関】
東日本大震災から8年を迎えた11日、一関市立南小学校(小島正明校長、児童441人)は給食の代わりにおにぎりを持参する「おにぎり給食」を行った。食料の供給が困難だった被災地での食生活を疑似体験し、震災の風化を防ぐ思いを共有した。
同震災では同校学区でも電気や水道などのライフラインが止まったことから、3月11日を「食から考える復興教育の日」と定めている。
おにぎり給食はこの一環で、2015年から毎年実施。持参するおにぎりは児童が手作りするよう保護者に呼び掛けており、中身や大きさ、個数は自由だが、おかずは持ち込まず、飲み物もお茶か水に限定している。
同日は昼食時間に、震災当時のことや沿岸の復興に向けた取り組みを校内放送。「いただきます」とあいさつした後、児童は自ら作ったおにぎりを被災地に思いを巡らせながら一口一口大切に味わった。
蓮尾桃さん(6年)は「震災の時は保育園にいて、親の迎えを待っていた。家が停電、断水していて親戚の家に避難したことを思い出した。被災地の方々には希望を捨てず、自分たちにできる応援をしたい」と話した。
復興教育担当の千葉道宏主幹教諭は「震災から8年がたち、発生時にまだ生まれていなかった児童もいる。震災の記憶を風化させないため、おにぎり給食を通じて支えてくれる人への感謝の気持ちや、自分ができる支援について考えてもらいたい」と願っていた。
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