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待望の鉄路復活 沿線住民ら歓喜 三陸鉄道リアス線開業

復興が進む山田町を走る三陸鉄道リアス線の記念列車

 三陸鉄道リアス線(久慈-盛間、163キロ)が開業した23日、JR山田線からの移管区間宮古-釜石間で記念列車が運行された。宮古市内に新設された2駅を含む15の駅には、沿線住民や鉄道ファンが大勢詰め掛け、8年ぶりの鉄路復活に喜びの声を上げた。

 同日は上下4本の記念列車を運行。事前公募で選ばれた計280人と関係者を乗せ、新設の「払川」「八木沢・宮古短大」を含む各駅で歓迎を受けながら、移管区間の55・4キロを往復した。

 このうち払川駅には、沿線住民ら約100人が詰め掛け、テープカットや駅名標の除幕で新駅誕生を祝福。午後0時20分ごろ、宮古発の上り一番列車が到着すると、ホームは歓喜に包まれた。住民らは「よく来てくれた」「たくさん楽しんで」などと乗客に笑顔で声を掛け、手旗を振って見送った。

 駅長の仮装で三鉄関係者に感謝を伝えた佐々木牧子さん(79)=同市津軽石=は「車での移動がつらい時もあるので、駅ができたのは本当にありがたい」と喜んだ。津軽石小学校6年の中村幸太郎君(12)は「電車で遠くに行けるようになってうれしい。ラグビーワールドカップが開かれる釜石に行ってみたい」と目を輝かせた。

 払川地区は津波による大きな被害はなく、避難者や子育て世代が多く居住する。中嶋榮自治会長(75)は「待望の新駅ができて通学や通勤の利便性が向上し、住みやすい地域になるのではないか」と期待を込めた。

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