奥州・金ケ崎

白鳥舘遺跡の歴史紹介 牛の博物館企画展 出土品、資料200点【奥州】

奥州市牛の博物館で開催中の郷土の企画展「白鳥舘のすべて-中世の川湊から城館、そして現在-」

 奥州市牛の博物館(鈴木啓一館長)は、郷土の企画展「白鳥舘のすべて-中世の川湊から城館、そして現在-」を同市前沢字南陣場の同館で開いている。同館から望める国指定史跡白鳥舘遺跡に着目。出土品や関連資料約200点を集め、過去から現在に至る白鳥舘の歴史を伝えている。5月26日まで。

 同遺跡は、奥州藤原氏が築いた都市・平泉の中心部から3・7キロの北上川のほとりに位置。平泉中心部に次ぐ密度で、12世紀の外国産陶磁器や国産陶器などが出土していることから流通の重要拠点とされ、舟運を担う川湊であったとみられる。

 集落や工房群、城館など役割を変えて利用され、古くから人が生活する里の環境が維持されてきたという白鳥舘。今展では、出土した考古遺物や発掘調査の際の資料などが並べられ、その変遷や畜産、漁業といったなりわいを紹介している。

 鈴木館長は「白鳥舘遺跡の歴史を振り返り、平泉との関連など、いつ何があったのかを知る機会になる」と強調。「個人的には北上川が私の出身地である石巻市まで続いており、川を使った交流があったことが印象的だった」と語っている。

 企画展に関連したシンポジウム「白鳥舘とは何か?-中世の生産・流通-」は、今月31日午前10時から同館別棟で開催。小野正敏さん(国立歴史民俗博物館名誉教授)、飯村均さん(福島県文化振興事業団)、八重樫忠郎さん(平泉町まちづくり推進課)を講師に招く。聴講無料で申し込み不要。

 開館時間は午前9時30分~午後5時(入館は4時30分まで)。月曜日休館。問い合わせは同館=0197(56)7666=へ。

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