奥州・金ケ崎

ドローンで農薬散布 本宮運輸 経営革新計画が県承認【金ケ崎】

県商工会連合会からの経営革新計画認定記念章を手にする本宮運輸の菅谷代表取締役

 金ケ崎町六原下二の町の一般貨物運送業・本宮運輸(菅谷忠寿代表取締役)は、町商工会の支援を受けて作成した経営革新計画が県からの承認を受けた。「ドローン(小型無人飛行機)を活用した新サービス提供による販路開拓」をテーマとした内容で、同社の新事業活動としてドローンを用いた農薬散布に取り組む。菅谷代表取締役(41)は「この事業を大きなものにしていきたい」と意気込む。

 菅谷代表取締役は、特に若いドライバーなどの付加価値向上と賃金アップにつなげるため、ドローンの操縦資格を持った従業員が中心となってドローンを活用した事業を行っていこうと、2016年から取り組みを開始。自身が操縦資格と指導教官資格を取得した上で、17年6月にドローンスクール岩手金ケ崎校(同町西根上餅田)を設立した。一般企業や個人の受講者ら卒業生は約80人で、本宮運輸の一部従業員も同校を卒業し、同社では10人以上の操縦資格取得者を持つ。

 地元を中心にニーズがあり、資格を持つ自社従業員が活躍できる事業を検討し、高齢化する農業事業者の負担軽減につなげる農薬散布事業を計画。中小企業等経営強化法の規定に基づく経営革新計画の策定を町商工会職員から提案され、アドバイスを受けながら18年9月ごろから作業を始め、事業概要や実施計画、目標数値、経営計画などを盛り込んだ内容をまとめ、1月7日付で県の承認を受けた。町内企業の経営革新計画の承認は5例目。

 計画期間は1月7日から3年間。小さな区画や住宅街の圃場(ほじょう)などにも適切に対応でき、手軽で安価に行えるメリットなどを生かし、ドローンを使った農薬散布を行う。操縦には従業員が当たるが、運送業務との重複で自社だけでは対応できないことも想定し、スクール卒業生へも声を掛けている。

 3月29日には同町西根の町商工会館で、県商工会連合会からの経営革新計画認定記念章の贈呈式が行われ、金ケ崎町商工会の菊地清晴会長が菅谷代表取締役に記念章を手渡した。菊地会長は「これを見本に、他の業者も何かやってみようという機運が盛り上がっていけば」と期待を寄せた。

 菅谷代表取締役は「計画を作るのは簡単でなかったが自社の振り返りになり、第三者の目線が入ることで会社の(今後の)方向性も見えてきた。地元にも貢献していきたいし、事業を成功させていきたい」と語る。

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