奥州・金ケ崎

世界驚く成果に貢献 ブラックホール撮影EHT水沢メンバー 快挙振り返る【奥州】

ブラックホール撮影に成功したEHTに水沢VLBI観測所から参加した本間所長(中央)、小山研究員(左)、田崎研究員

 史上初めてブラックホールの姿の撮影に成功した、日米欧などの国際共同研究プロジェクト「イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)」に参加した国立天文台水沢VLBI観測所=奥州市水沢=の本間希樹所長(47)ら同観測所のメンバーは15日、「地元奥州市の理解があったから成果を出せたと思う。感謝している。Z項発見120周年の節目に良い巡り合わせで大きいことを成し遂げた」と快挙を振り返った。

 EHTは200人余りでつくるプロジェクト。同観測所の6人など日本所属の研究者14人が参加している。同日は本間所長、装置面を担当した小山友明特任研究員(46)、画像処理を担当した田崎文得特任研究員(33)の3人から話を聞いた。

 ブラックホールは、存在を予言されていたが、姿を直接捉えることはできていなかった。EHTは電波望遠鏡を組み合わせて巨大な望遠鏡を合成するVLBI(超長基線電波干渉計)技術を駆使し、地球規模の電波望遠鏡として観測する。

 2017年4月の撮影で同観測所は、MRI(磁気共鳴画像装置)などで活用されている少数のデータから情報を得るスパースモデリングという数学的手法で画像処理を担い、さらにスーパーコンピューター「アテルイⅡ」で理論モデルのシミュレーションを行った。

 5500万光年離れた楕円(だえん)銀河M87の中心にある巨大ブラックホールと、最も近い天の川銀河の中心にあるいて座Aスターの二つを観測。本間所長は「最初のすり合わせでM87の方ができると確信した」、田崎研究員は「M87の方がデータが多かった」と話す。

 解析と画像処理を進めて画像が鮮明になった時、担当した田崎研究員は「正直ほっとした。そして世界中でここのメンバーだけが独占しているというドキドキ感があった」と振り返る。

 本間所長は「国際協力のため違う意見もあったが、国を超えて多くの人が1枚の写真を撮るために同じ方向に進んだことが素晴らしい」とプロジェクトの意義を語る。また若手研究者が交流を深め、刺激を与え合ったこともプロジェクトの成果の一つという。

 小山研究員は「ブラックホール撮影に密接に関わった研究者本人が身近にいる。遊びに来てもらいたい」、田崎さんは「奥州市に住んでいる研究者が世界中が驚く成果に貢献した。子供たちに自分たちも新しいこと、みんなが驚くことができると思って取り組んでもらいたい」と、地域の人々に向けてメッセージを発信している。

 今年は、緯度観測所として国際プロジェクトに参加した木村榮所長が120年前にZ項を発見した記念の年。「偶然とはいえ良い巡り合わせ。節目の年に大きいことを成し遂げた」と本間所長。「プロジェクトに参加した研究者みんなの成果。そして支えてくれた市民や家族のおかげだ」と感謝している。

 EHTは今後も活動を展開。20年にはさらに参加局を増やして観測が行われるという。

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