奥州・金ケ崎

農地向け勢いよく 奥州・胆沢 円筒分水工の放水式

本格通水が開始された円筒分水工

 奥州市胆沢若柳の徳水園で22日、円筒分水工の放水式が行われた。本格的な春の農作業開始を告げる風物詩で、関係者は胆沢平野を潤す農業用水に豊作への願いを込めた。

 式には胆沢平野土地改良区のスタッフを含め関係者約90人が出席。神前に玉串をささげるなどして農作業の安全や五穀豊穣(ほうじょう)を祈願。分水工から約1万ヘクタールの農地に向けて放水が始まり、「命水の大噴水」が勢いよく3本の水柱を吹き上げた。

 あいさつした同土改区の及川正和理事長は「農家組合員が今年も天候と水に恵まれ、昨年を上回る作況指数と食味ランキングを堅持するとともに、豊かさを実感し、喜びとともに豊穣の秋を迎えることができるよう役職員一丸となって最善を尽くしたい」と決意を述べた。

 円筒分水工は石淵ダム建設に伴い、国営胆沢川農業利水事業の一環で1957年度に施工され、胆沢平野の2大幹線水路の寿安堰(ぜき)と茂井羅堰の水争いを解消。95年に改修された。流量は毎秒16トンで、農業用施設の円筒分水工としては日本最大級。

 通水は9月10日まで。噴水は10月末まで予定されている。午前10時から午後4時までの間に時間ごとに行われる。

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