北上・西和賀

音楽が結ぶ沿岸と内陸 北上フィル・釜石演奏会 来月2日 小井土さんも共演

小井土さん(左手前)を迎え、来月の移動公演の練習に励む北上フィルハーモニー管弦楽団

 北上市を拠点に活動するアマチュアオーケストラ北上フィルハーモニー管弦楽団(小野寺典夫団長)は、6月2日に釜石市の市民ホールTETTOで移動公演「題名のある音楽会 釜石の素敵(すてき)な音楽家たちとともに」を開く。釜石市出身のピアニスト小井土文哉さんと釜石市民吹奏楽団をゲストに招く。音楽を通じて沿岸と内陸の結び付きを強めようと、団員らがハーモニーに磨きを掛けている。

 同楽団は1995年に設立。演奏会ごとにテーマを設け、幅広いジャンルの曲を聴衆に届ける「題名のある音楽会」を毎年開催している。例年、北上市内で演奏会を開いているが、釜石市民吹奏楽団との縁から、2014年の宮古・田野畑公演以来2度目の移動公演を企画。さらに、昨年の第87回日本音楽コンクールで1位に輝くなど国内外で活躍の場を広げる気鋭のピアニスト小井土さんとの共演が決まった。

 公演では小井土さんがソリストを務める「ベートーベンピアノ協奏曲第3番ハ短調作品37」をはじめ、「新日本紀行のテーマ」「日本の四季メドレー」「『ローマの松』より アッピア街道の松」を演奏予定。小井土さんを迎えた11日の稽古では、ピアノ協奏曲第3番を集中的に練習した。楽章ごとにテンポや出だしの音などを確認し、完成度を高めた。

 ピアノ協奏曲第3番は、同楽団発足後初の定演で演奏した曲。小井土さんは「オーケストラでこの曲を弾くのは初めて。地元のホールで岩手の皆さんと一緒に演奏できるのが楽しみ」と期待。小野寺団長は「小井土さんと共演できるのはとても光栄なこと。団員も年を重ね、立ち上げ時とは違った演奏を披露できるのでは」と再演への思いを語る。

 同楽団の中村伸樹事務局長は「被災地復興が進む中、音楽を通じて沿岸を忘れないという思いを届けたい。一緒に公演を盛り上げ、内陸も沿岸とつながっていると実感してほしい」と語る。

 入場無料、午後2時開演。整理券が必要で北上市内ではさくらホールで配布している。問い合わせは同楽団の中村事務局長=090(4556)0795=へ。

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