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クマ被害相次ぐ 今季、5人が重軽傷 県など注意呼び掛け【岩手】

 登山や山菜採りなどの行楽シーズンが本格化する中、県内でクマの出没が頻発している。県などによると、今季は16日までに人身被害が4件発生し、5人が重軽傷を負った。今年はブナの不作が見込まれることから人里周辺に出没する可能性が高いといい、クマよけ鈴などの被害防止対策を呼び掛けている。

 県自然保護課によると、4月はクマの出没が128件で、前年同期を7件上回った。5月は集計中だが、市町村などに多くの目撃情報が寄せられている。県警などによると、4~5月の人身被害は、岩泉町や宮古市、盛岡市などで前年同期より2件多い4件発生(16日現在)。けが人は5人で、内訳は80代1人、60代3人、40代1人と高齢者が多くを占めた。うち3人が顔面などに重傷を負った。いずれも山菜採り中に襲われており、単独で入山するケースがほとんどだった。

 同課は昨年のブナが並作だったことから、今年はあまり実を付けないと予測。春先に子連れのクマが多く出没する可能性があるとして、3月20日にツキノワグマ出没に関する注意報を出した。

 被害防止対策として、県は▽クマの出没しやすい場所や、朝夕の時間帯の入山は避ける▽鈴やラジオ、笛など音の出るものを携行▽クマ撃退スプレーの携行―などを推奨。クマに遭遇した場合は、刺激しないよう目を離さずゆっくりと背中を見せずに後退するよう呼び掛けている。

 県のホームページで、詳しい対策や最新のクマ出没マップを公開。県自然保護課の担当者は「鈴などで自分の存在をクマに知らせることが大事。入山の際は単独で行動しないよう気を付けてほしい」としている。

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