奥州・金ケ崎

奥州藤原氏 生んだ胆江 出土品や遺跡から関連ひもとく 牛の博物館・巡回展

奥州藤原氏を支えた胆江地方の遺跡を紹介している「発掘された奥州市展2019」

 奥州市教委主催の巡回展「発掘された奥州市展2019 平泉藤原氏の母なる地 胆江」が、同市前沢字南陣馬の市牛の博物館を皮切りに開かれている。今年は12世紀に当地を治めた奥州藤原氏の関連遺跡がテーマ。同氏の経済基盤だった胆江地方について、出土品とパネルを通して光を当てている。30日まで同館で開催し、その後は市内5地域を回る。

 同市からの出土品を集めて開催。今年はつぼや甕(かめ)類やかわらけ、鉄鍋などかけらを含めた出土品大小約280点を並べ、パネルで同市や近隣の39遺跡を地域で大別し解説している。

 胆江地方では奥州藤原氏と関わりの深い12世紀の遺跡が発見され、圃場(ほじょう)整備などに伴う2000年以降の発掘調査でさらにその傾向が顕著となった。県内の12世紀の遺跡中44%が集中し、突出している。

 奥州藤原氏は所領を中尊寺に寄進して荘園とし、広大な土地を生かした耕作などで東北地方での権勢と仏教文化の原動力となった。

 遺跡の多くは荘園関係。このうち同市胆沢の漆町遺跡では大溝や材木塀などの遺構が見つかり、遺跡の性格は明確になっていないものの荘園に関係があるとみられる。一帯は栃木郷と呼ばれ、供養田として中尊寺の運営を支えたことが文献に残り、遺跡はこれを裏付ける。

 また経文を埋めた経塚は仏教文化の一端を示すほか、主要道近くに造られランドマークとして機能。このうち同市前沢の寺ノ上経塚は、墨で法華経や梵字(ぼんじ)を書いたかわらけが出土した日本でも例のない経塚。展示では経を入れたとみられる渥美壺(つぼ)とかわらけを公開している。

 市教委歴史遺産課世界遺産登録推進室の及川真紀上席主任学芸員は「展示で胆江地方が平泉を支えていたことを知ってほしい」と来場を呼び掛けている。

 同館は月曜休館。開館時間は午前9時30分~午後5時。

 以降の会場と日程は次の通り。

 ▽えさし郷土文化館(7月5~28日)▽胆沢郷土資料館(8月3日~9月8日)▽市埋蔵文化財調査センター(9月14~28日)▽市役所衣川総合支所(10月5~13日、衣川地域の出土資料のみ展示)

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