北上・西和賀

勇気ある行動と的確対応 詐欺防止人命救助 北上署、3人に感謝状

特殊詐欺被害を未然に防いだ(右2人目から)佐々木さん、人命救助に功績のあった寺林さんと藤田さん

 北上署(奥野淳署長)は13日、特殊詐欺被害の未然防止と人命救助への功績で北上、花巻両市の3人に感謝状を贈り、勇気ある行動と的確な対応をたたえた。

 特殊詐欺被害を防いだのは、北上市黒沢尻の自営業佐々木祐希さん(24)。5月14日午前10時ごろ、ガスの検針と集金のために市内の80代女性宅を訪れた際、電話中だった女性の会話内容などから詐欺の予兆電話を疑い、電話を代わった。「知り合いの者だが」と言うと電話が切れ、被害に遭わずに済んだという。

 人命救助したのは、花巻市北笹間の農業寺林祐一さん(64)と北上市和賀町横川目の自営業藤田直樹さん(63)。5月15日午前7時ごろ、寺林さんが同町横川目地内の水路付近を巡回中、軽装で倒れている90代女性を発見した。

 声を掛けたが「寒い」と繰り返すばかりで体を震わせているため、近隣に住む藤田さんに消防通報を依頼。協力して毛布を掛けたり傘を差したりしながら、警察や救急隊が到着するまでの対応に当たった。

 女性は認知症を患っており、同日午前4時ごろ、自宅から行方不明となったため、通報を受けた同署が捜索中だった。

 北上市九年橋の同署で贈呈式があり、奥野署長が3人に感謝状を手渡して謝意を示した。

 佐々木さんは「今回はたまたま訪れた家で起きただけ。テレビやニュースを見て、詐欺を警戒する感覚はみんなが持っていると思う」と普段からの心構えを語った。

 寺林さんは「他の皆さんも集まってくれて協力してやってくれた。女性が助かって良かった」と語り、藤田さんも「全てが早く、早くと対応できた。少しでも対応が遅れていたら危険だったはず」と当時を振り返った。

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