一関・平泉

「ねずみの建前」一針一針 秋の文化祭出品へ 東山の女性3人 「嫁入り」続編を製作【一関】

「ねずみの建前」の出品に向け、人形作りに励む(右から)田守さん、石山さん、菊地さん

 一関市東山町在住の女性3人は、昔話をモチーフにした「ねずみの建前」の人形作りに取り組んでいる。2018年11月に地元の文化祭に出品した「ねずみの嫁入り」の続編で、新郎新婦の新居を建築する大工や上棟式の準備をする親族、隣近所の住民など約80体のネズミの製作に向け、一針一針心を込めて縫い合わせている。

 製作しているのはいずれも同町長坂在住の田守りつ子さん(67)と石山けい子さん(68)、菊地洋子さん(65)。

▲製作中の大工のネズミ人形。金づちや鉛筆などの小道具も用意し、細部までこだわっている

 3人とも夫の協力を得て、昨秋の東山文化祭に昔話「ねずみの嫁入り」のクライマックスとなる花嫁道中の場面を手作り人形で再現したところ好評を博し、「次は何を作るの」「新しい作品が見たい」などと次回作を期待する声が多方面から寄せられた。

 昔話は結婚の場面で終わっているものの、ネズミのカップルのその後を描こうと独自に新たな場面を設定。新居の基本構造が完成した区切りとして行われる上棟式の直前の場面の製作に3月から取り組んでいる。

 前回は花嫁道中の場面を3人が協力しながら作ったが、今回は60センチ×90センチのステージを三つ用意し、1人ずつ三つの新居を製作。それぞれ大工や親族のネズミのほか、大工が手にする金づちやのこぎり、かんな、酒だる、きね、臼、祝い用の紅白の餅などの小道具をそろえ、上棟式で掲げる五色の吹き流しも用意した。建築中の新居や家を囲む竹垣などは今回も夫の協力を得た。

 人形は手縫いで丁寧に仕上げており、これまで全体の3分の2以上が進んだという。3人は「まるで自分の子供のようにかわいい」と目を細めながら作業に励んでいる。

 今回も3人は今秋の東山文化祭への出品を目指しており、「(建前は)今ではあまり見られなくなったが、年配の人たちには懐かしいと思う。前回のように多くの人に喜んでもらえたらうれしい」と語っている。

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