奥州・金ケ崎

続く低温、水管理注意 金色の風栽培研究会 実証圃で生育状況視察【奥州】

圃場の現地視察などを行った「金色の風」栽培研究会(胆江地域)現地研修会の参加者=奥州市江刺愛宕地内

 「金色(こんじき)の風」栽培研究会(胆江地域)現地研修会は12日、奥州市内で開かれた。JA岩手ふるさと、JA江刺の各栽培研究会長が作付けする本県水稲オリジナル品種「金色の風」栽培実証圃(ほ)を訪れ、生育状況などを視察。同市江刺のJA江刺本店では研究会を開き、低温状態が続く見込みの今後の栽培管理などに理解を深めた。

 金色の風生産者の両研究会計40人のほか、両JAと管内自治体、県関係者らが参加。JA江刺「金色の風」栽培研究会の高橋貞信会長(同市江刺)、JA岩手ふるさと「金色の風」栽培研究会の森岡誠会長(同市水沢)の栽培実証圃を視察した。

 同市江刺愛宕字伊勢堂前の高橋会長の圃場では、28・9アールの実証圃の生育状況を生産者らが熱心に見入り、栽培管理などについて高橋会長や県担当者に尋ね、今後の参考とした。高橋会長は「今年は比較的順調。植え付け本数を増やしており、栽培研究会としても収穫量を増やす目標でやっている。今年は10アール当たり520キロくらいは取りたい」と期待を寄せた。

 また、JA江刺本店営農支援センターでは、両JAから金色の風モデル圃場の生育状況報告と、県農林水産部農業普及技術課農業革新支援担当の寺田道一主査農業普及員らが水稲の生育概況、今後の水管理、施肥、防除など技術対策について説明した。

 寺田主査農業普及員は、水稲が幼穂形成期を迎えている状況で、仙台管区気象台が11日に発表した東北地方1カ月予報では期間始め(13~19日)が日照時間が少なく、気温の低い状態が続く見込みであることから、障害不稔の発生防止のため、徐々に深水管理に移行し、幼穂の保温に努めるよう指摘。水管理では「早めに水をためていつでも浸水管理に入るスタンバイを」「(減数分裂期前後に)低温注意報が出ている場合は、10センチ以上の水深を確保してほしい」などと呼び掛けた。

 研修会は金色の風の良食味・高品質生産に向け、今後の栽培管理について意思統一を図ることを目的に両栽培研究会と県南広域振興局が主催。胆江地方農林業振興協議会が共催した。

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