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健康教育推進へ情報共有 盛岡で東北学校保健大会開幕 基調講演や分科会

東北学校保健大会で基調講演する井上さん

 第52回東北学校保健大会(県学校保健会、県教委主催)は30日、盛岡市の市民文化ホール(マリオス)で開幕した。東北6県の幼稚園、小中学校、高校、教育・保健機関の関係者ら約520人が参加。2日間にわたり、基調講演や分科会を通じて次代を担う子供たちの健康な心と体の育成について考える。

 「生涯を通じて、心豊かにたくましく生きる力をはぐくむ健康教育の推進」を主題に、学校保健、学校安全、食に関する指導に関する課題研究の成果を共有し、健康教育の充実発展に役立てるのが狙い。第55回県学校健康教育研究大会を兼ね、6県の学校保健、学校安全、学校給食などの学校関係者、学校医・学校歯科医・学校薬剤師・保護者らが参加している。

 開会行事で県学校保健会の小原紀彰会長は「子供の健康課題は多岐にわたり、登校中の事件発生などで安全確保も大きな課題になっている。課題に適切に対応するには学校や家庭、地域が連携し、子供を見守り、支援していくことが必要だ」と述べ、大会が学校保健活動の充実につながることを期待した。

 初日は滝沢市さんさ踊り保存会の子供会員によるさんさ踊り、盛岡三高演劇部員による演劇の上演に続き、津軽三味線奏者三代目井上成美さん(32)=盛岡市在住=が基調講演し、自身の性同一性障害について語った。

 「性同一性障害を乗り越えて~自分らしく生きるために力強さと繊細さを追求して~」と題して講演した井上さんは、26歳で女性から男性へ性別の変更を決断した際に親や職場、友人にどう打ち明けるか悩んだことを振り返り、「LGBT(性的少数者)、カミングアウト、将来この言葉自体がなくても当事者が当たり前に生きることのできる社会になってほしい」と訴えた。

 繊細な指づかいに加え筋肉が付き迫力のある演奏ができるようになったという津軽三味線も披露。学校でできるLGBTの子供たちへの配慮についても助言し、一言でもフォローしてくれる先生が増えることを願った。

 31日は心の健康・心のケア、性に関する指導、食に関する指導、安全教育・危機管理など六つの分科会に分かれ、研究協議が行われる。

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