一関・平泉

まとう伝統、風土 一関・京屋染物店 スノーピークと服飾品共同製作

「LOCAL WEAR IWATE」の商品をPRする蜂谷専務

 一関市大手町の京屋染物店(蜂谷悠介代表取締役社長)は、アウトドア製品を開発、製造、販売するスノーピーク(本社新潟県三条市、山井太代表取締役社長CEO)と共同で「LOCAL WEAR IWATE」と銘打った服飾品を製作した。数々の伝統工芸や郷土芸能が受け継がれている本県で、地域の伝統文化に根差した衣服を発信する。

 「LOCAL WEAR IWATE」は「その土地を着る」をコンセプトに、その地域ならではの風土や技法に特化したものづくりを生かした「LOCAL WEAR」シリーズの第2弾。「LOCAL WEAR SADO」に続いて誕生した。

 今年で101年目を迎える同店の創業当時、染物店は全国で約1万4000社あったが、現在は300社ほどに激減。その土地の伝統文化を象徴する祭りや郷土芸能などの衣装を手掛けてきた染物店の衰退は、そのまま地域の伝統文化の消滅につながるとの危機感から今回の共同製作が実現した。

 今回商品化したのは昔シリーズと現代シリーズ、アクセサリーの三つの分野で計25アイテム。昔シリーズははんてん、腹掛け、猿袴(さっぱかま)、和装下着の鯉口、被布コートなど、現代シリーズは綿のTシャツやドレス、ズボンなど、アクセサリーは手拭いや巾着などで、伝統に基づいて同店が受け継ぐ染色、縫製技術を生かした。

 一関夏まつり期間中の3、4の両日には、祭りと衣装の伝統を体験する旅として企画された「LOCAL WEAR TOURISM in ICHINOSEKI」で訪れる人たちにアピールする。

 蜂谷淳平専務取締役(37)は「これまで祭りや染物などに興味を示さなかった人たちも関心を持つきっかけになってほしい」と話す。

 同店の営業時間は午前10時~午後6時。問い合わせは同店=0191(23)5161=へ。

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