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イノシシ・昨年度 捕獲 過去最多243頭 生息数増、農業被害も拡大【岩手】

 2019年度イノシシ管理検討委員会は2日、盛岡市内で開かれた。県によると、18年度の県内捕獲頭数は243頭(前年度比163頭増)と急増し、捕獲を開始した11年度以降、過去最多となった。農業被害額も1529万円(同440万円増)で過去最高だった。いずれも生息数の増加が背景にあるとみられる。県は今年度から集落アンケートを実施。出没状況などを把握し、さらなる捕獲促進につなげる。

 委員会には学識経験者や県猟友会、行政機関などから9人が出席。県が昨年度のイノシシ管理対策実施状況などについて報告した。

 県によると、県内のイノシシ捕獲数は13年度から増加。昨年度は狩猟10頭、有害鳥獣捕獲100頭、指定管理133頭の計243頭を捕獲した。11~14年度は一関市のみで捕獲されていたが、徐々に生息域が拡大。ここ数年で県央にも広がり、昨年度は県北の洋野を含め、盛岡、紫波の3市町で初めて捕獲された。

 農業被害は10市町村で発生。被害額は捕獲を開始した11年度以降、過去最高の1529万円となった。このうち水稲被害は1167万円(前年度比529万円増)で、全体の約76%を占めた。次いで飼料作物159万円(同142万円減)、芋類63万円(同14万円減)、野菜類38万円(同23万円増)などとなった。

 県は捕獲数が大幅に増えた要因について、「狩猟者の技術向上や生息数の増加で狩猟機会が増えた」と分析。生息域が拡大していることから、さらなる捕獲が必要だと強調した。一方で県内の生息数は不明といい、委員からは「生息数が分からないと、具体的な捕獲目標が立てられない」「しっかり調査して今後の方向性を決めるべきだ」といった意見が出された。

 今年度は狩猟規制の緩和などに引き続き取り組むほか、指定管理鳥獣捕獲等事業を活用し、県内全域における捕獲を強化。新たに県内の農業集落を対象としたアンケート調査を実施する。調査で出没状況や農業被害状況を詳細に把握することで、捕獲促進を図りながら、計画的な管理施策を推進する方針。

シカは前年度下回る 管理検討委 有害、28市町村で実績

 本県に生息するニホンジカの保護管理などを検討するシカ管理検討委員会は2日、盛岡市内で開かれ、2018年度の捕獲頭数は前年度を1780頭下回る1万2538頭となった。農業被害は前年度より393万円少ない27市町村で1億8833万円となった。市町村による有害捕獲は、28市町村で実績があり前年度を上回った。今年度の捕獲目標は1万2200頭に設定する。

 県によると、捕獲頭数の内訳は、有害捕獲が7399頭、指定管理の捕獲事業4595頭、狩猟544頭。「高密度段階」に位置付けられている北上高地南部地域は、1万1102頭と全体の9割を占めた。次に「定着段階」の北上高地北部地域は1263頭、「侵入初期段階」の奥羽山脈地域は173頭だった。

 市町村の有害捕獲頭数は、遠野の1425頭が最も多く、次に大船渡の1355頭、釜石市1007頭と続く。県南では、花巻が424頭、奥州219頭、一関の235頭などとなった。

 農業被害の作物別では、水稲7190万円(前年度5727万円)、飼料作物5292万円(同7363万円)、果樹3558万円(同3453万円)、野菜類1629万円(同1450万円)、その他1161万円(同1231万円)で、飼料作物などは減少した一方、水稲や野菜類は増加した。

 今年度の管理対策によると、希少な高山植物を食害から守るため、早池峰山周辺地域での捕獲強化として、県猟友会と一斉捕獲を実施するほか、今年度も引き続き県と東北森林管理局が連携して、登山道周へに約900メートルの防鹿柵を設置する予定。

 このほか、各市町村では鳥獣被害防止対策交付金などを活用し侵入防止柵の設置や農業者を対象にした研修会を開催する。

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