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妻気遣う兵士の愛情 盛岡てがみ館特別展 軍事郵便25通を紹介

本県ゆかりの兵士による軍事郵便を紹介している盛岡てがみ館特別展

 盛岡市中ノ橋通の盛岡てがみ館で、特別展「軍事郵便~手紙が語る戦争の記憶」が開かれている。戦時下で交わされた手紙を紹介し、戦地の状況や兵士の家族らへの深い愛情を現代に伝えている。9月30日まで。

 軍事郵便は、戦地に赴いた兵士と残された家族らとの間で交わされた郵便物。日露戦争時代から幅広く利用された。同展では第2次世界大戦中のものを中心に、本県ゆかりの兵士による手紙や絵はがきなど25通を展示している。

 このうち、北支(中国北部)に派遣され、東北人で編成の通称・雪部隊の一つ「歩兵第222連隊舞部隊」に所属した雫石町出身の兵士が戦地から妻に宛てた手紙では「だんだん寒くなってきました。戦友達と共に助け合って働いております」と近況を報告しているほか、「君も体に気を付けて病気などせぬように」などとつづっており、離れた妻の健康を気遣う優しさがうかがえる。

 このほか、検閲によって不適切と判断され、黒塗り箇所があるはがきも展示している。

 同館の佐々木早香学芸員は「手紙はその時代を生きた人の思いを伝えてくれる。今回の展示を通じ、当時の状況や平和の尊さについて考えてほしい」としている。開館時間は午前9時~午後6時。毎月第2火曜(祝日の場合は翌日)休館。

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