北上・西和賀

合言葉は「浮いて待て」 黒岩小で着衣泳 水難事故備え消防士指導【北上】

合言葉は「浮いて待て」。手を大の字に広げて身を守る浮き方にチャレンジする黒岩小の児童

 水難事故に備えて北上市の黒岩小学校(髙橋雄一郎校長、児童46人)は29日、服を着たまま水面に浮く着衣泳の授業を同校のプールで行った。消防士の指導を受けた児童たちは、万が一溺れた場合に「浮いて(救助を)待て」を合言葉とした身を守る浮き方を学んだ。

 授業は毎年のように行われているが、今回は消防士で北上消防署庶務係主任の小菅亜紀子さん(43)が同校在籍児童の親戚だったことが縁で、勤務先の消防士仲間3人と全校児童を対象にボランティアで講習した。

 同校の同日午前10時半ごろの気温は29度、水温は27度。小菅さんらは、人間の体の2%しか水の上に浮かないことを説明した上で、溺れた場合には慌てず空気が吸えるようあおむけになって口と鼻を出すようにと強調し、「焦って助けを呼ぶとせっかく肺にたまっている空気を吐き出すことになる。服や靴も浮力に使って声を出さず静かに助けを待つことが重要」と指導。一方、溺れている人を助ける場合には、ペットボトルやビニール袋など浮き輪代わりになるアイテムを投げ込んだり、大人に伝えて119番通報を促すなどの対応を取るよう呼び掛けた。

 参加した児童たちは、運動着の状態でプールに入り、両手を大きく広げてバランスを取ったり、ペットボトルをおなかの辺りに抱え浮き続けられるかチャレンジ。6年生の多田歩未さん(11)は「手を大の字に広げたら浮かぶことができ、ペットボトルを使ったらさらに浮きやすくなりすごいと思った。川に落ちても慌てず、救助する場合は他の人と手分けをして浮く物を探すなどして救助につなげたい」とポイントをつかんだ様子だった。

 全国的に夏場には海や川での水難事故が後を絶たず、近年は暴雨災害で命を落とす人も少なくない。髙橋校長は「いつ、どこで自分が水難事故に遭うか分からない。その時に自分ができる最善の方法を知ったことで、自分の命を守ることにつなげてほしい」と話した。

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