花巻

賢治直筆「祭の晩」 記念館 23日まで原稿公開【花巻】

宮沢賢治記念館の特別展「祭の晩」

 宮沢賢治童話「祭の晩」直筆原稿公開は14日、花巻市矢沢の宮沢賢治記念館で始まった。地元の「花巻まつり」をイメージしたとみられる描写もある作品で、秋祭り見物も兼ね同館を訪れた観光客らに、賢治作品を通じた秋の花巻の魅力を伝えている特別展。直筆原稿公開は23日まで。

 同作は、秋祭りのにぎわいが感じられる表現や、優しさと物悲しさを感じさせる「山男」が印象的な童話。現存する11枚の直筆原稿は手直し箇所が少なめで、発表を前提に書かれたものと推測される。同原稿の清書は1924(大正13)年ごろ、原稿用紙にブルーブラックインクでなされている。

 作品に登場する「アセチレンのあかり」「向ふの神楽殿」といった記述は花巻まつりを想起させるだけに、この時期にぴったりの展示。会場には原稿のほか、山の神と祭について解説したパネルも備えられ、幅広い知識が得られる内容となっている。同館学芸員の宮澤明裕さんは「花巻まつりの期間中でもあり、ここに山男が下りてきたらどうなるのだろう、と考えながら展示を見るのも楽しいのではないか」と話す。

 特別展は直筆原稿公開終了後も継続開催され、10月27日が最終日。期間中無休。問い合わせは同館=0198(31)2319=まで。

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