北上・西和賀

30日から実証運行 北上・黒岩 市内初の無料互助輸送

黒岩地区互助輸送でターミナルとなる「わくわく夢工房」

 北上市黒岩の地域自治組織・黒岩自治振興会(昆美知男会長)は30日、黒岩地区内交通の実証運行をスタートさせる。市のコミュニティバス「おに丸号」の運行などに合わせて地区内を運行し、高齢者を中心とする交通弱者の足確保につなげたい考えだ。地元ボランティアがドライバーを務めることで無料で利用できる仕組みで、地区内運行で無料の互助輸送は市内初。2020年3月末まで実施し、利用状況を踏まえて来年度以降の運行について検討する。

 おに丸号は、市が企画、運営し各地区と市街地を結ぶコミュニティバスで、今回対象となる飯豊黒岩線はじめ二子更木線、稲瀬線、立花岩崎線の4路線ある。

 地域内には中心部への足確保が難しく、おに丸号の利用もしにくい住民がいて課題として挙がっていた。解決に向け関係者が検討を進める中で、車両貸与の協力が得られてボランティアによる無償運行のアイデアが浮上。交通事業者に頼らない地域独自の互助輸送体制という新たな形態を構築した。

 同振興会が事業主体となり、トヨタカローラ南岩手(花巻市)から無償貸与を受ける車両1台を使って住民の送迎に利用。振興会から委託を受けた地元のNPO法人あすの黒岩を築く会が、おに丸号との接続に合わせる形で地域内を、予約に応じて月、木曜日に1日3便運行する。同振興会の事業やお茶っこ飲み会などの会場と自宅近くとを結ぶ臨時便も運行する。

 ドライバーは無報酬。利用者は乗降希望前日の午後3時までに、予約センター(くろいわ産地直売所)に事前予約する。

 地域内交通の運行に伴い、おに丸号と乗り継ぐ際の接続ポイントとして、黒岩まんなか広場内にある「わくわく夢工房」を黒岩地域ターミナルとして利用、待合機能も兼ねる。

 昆会長は「高齢者などの足を確保するための取り組みで、実証運行で高齢者らが利用を通じてコミュニケーションを取る機会が増えることを願う」と期待する。

 予約センターとなるくろいわ産地直売所の電話番号は0197(64)7528。

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