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大名や武将に思いはせ 県立博物館企画展 甲冑、刀剣など250点【岩手】

県立博物館で開かれている企画展で甲冑を鑑賞する来館者

 武家の象徴として現代に伝わる甲冑(かっちゅう)や刀剣、刀装具など約250点を集めた県立博物館の企画展「よろい・かぶと・かたなの世界」が、盛岡市上田字松屋敷の同館で開かれている。実用的な武器や武具としての性質に加え、美術工芸品としての価値、所有していた大名や武将の人物像がうかがえる。11月24日まで。

 九つの展示構成で「かぶとの誕生」では12枚の薄い鉄板をはぎ合わせた簡素な作りの室町時代の兜(かぶと)などを紹介。「よろいの移り変わり」では馬上で弓を持って戦う騎射戦に対応した「大鎧(おおよろい)」、南北朝時代から室町時代にかけて徒歩中心の戦闘で下級武士が着用していた「胴丸(どうまる)」や「腹巻(はらまき)」、戦国時代の鉄砲による戦いに対応した「具足(ぐそく)」など変遷を伝える。

 「盛岡藩のよろい」では江戸中期に同藩が用いた鎧を紹介。3代藩主南部重信(1616―1702年)が儀式で着用したと伝えられる二枚胴具足は胴全体が革や鎖網の上に黒羅紗地で包まれ、緑や朱、白、あさぎ、紺など多様な糸で刺繍(ししゅう)し、胴前面には唐獅子、裏面にはボタンが施されている。

 「武将が愛したよろい」では日輪の中央に梵字(ぼんじ)が鋲(びょう)留めされた伊達政宗の鎧など、佐竹義重、上杉景勝ら戦国時代後半から江戸時代にかけての武将たちの鎧を紹介。「変わり兜の世界」では金剛杵(こんごうしょ)という仏具を手に握った形が表現されたものなどが目を引く。

 刀剣や刀装具では重要文化財「太刀銘助真」を中心とした日本刀、月をつかもうとしている猿などさまざまな意匠のものが作られた鐔(つば)、鞘(さや)など200点余りが並ぶ。企画展を担当した同館の原田祐参専門学芸調査員は「鎧や兜を持っていた大名や武将それぞれの生きざまや考え方を感じ取ってほしい」と話している。

 開館時間は午前9時~午後4時30分(入館は午後4時まで)。月曜休館で、祝日の場合は翌日が休館。

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