奥州・金ケ崎

菊池君(木細工6年)最高賞 妹 結心さん全国4位 国民文化祭現代詩小・中学生の部【奥州】

田面木教育長(左)に受賞を報告した木細工小の受賞者(前列右から文部科学大臣賞の菊池怜史君、新潟県教委教育長賞の妹の結心さん)

 新潟県で10月26日に開かれた第34回国民文化祭・にいがた2019、第19回全国障害者芸術・文化祭にいがた大会の「詩(ことば)フェスティバル」現代詩小・中学生の部で、奥州市立木細工小学校6年の菊池怜史君の作品「ひっこと見た最後の花火」が全国最高賞の文部科学大臣賞に輝いた。1月に亡くなった曽祖母との花火の思い出と情愛にあふれた詩が高い評価を受けた。怜史君の妹で、同校1年の結心さんの「じいにもらったらっかさん」も同部門全国4位の新潟県教委教育長賞に選ばれた。

 同部門では、花火などをテーマにした全国の応募作品から13点と学校2校が入賞。上位6点は同フェスティバルで表彰され、怜史君、結心さんも出席して賞状を受け取った。

 怜史君の作品は、18年8月に同市水沢での花火大会を曽祖母(ひっこ)ら家族で見に行ったことを詩にし、うれしそうな曽祖母の姿、天国に旅立った曽祖母への怜史君の思いなどが込められた。

 「天国に行っているけれど、一緒に見た花火をいつまでも忘れないという気持ちを詩の最後に込めた」という怜史君は、同部門3度目の入賞で初の最高賞。父、兄も過去に同部門の文科大臣賞を受賞しており、「自分も取りたいと思って、今年書いて取ることができてうれしい」と語った。

 結心さんの作品は、曽祖父(じいちゃん)と花火で遊び、花火に付いていた落下傘が風に飛ばされたが、曽祖父がやぶの中から見つけてきてくれた出来事を題材とした。曾祖父の優しさや、結心さんの曽祖父への大好きな気持ちが表現され、結心さんは「じいちゃんが喜んでくれるかなと思って書いた。(曽祖父は)『よく(賞を)取れたな』と褒めてくれた」と喜んだ。

 2人は7日、市役所江刺総合支所を訪問して田面木茂樹教育長に受賞を報告し、入賞作品も発表。田面木教育長は「一生懸命頑張った」と2人をたたえた。


「ひっこと見た最後の花火」

  奥州市立木細工小6年
       菊池 怜史

「ひっこ、大きな花火だよ。」
「おお、きれい。」
にこにこしているひっこ。
今日は、水沢の花火大会。
病気で足が不自由なひっこ。
ほとんど外出していない。
ひさしぶりに家族みんなで出かけた。

ドーン。
「おっきな音だなあ。」
ひっこは、花火の音にびっくりしていた。
ドーン、パラパラパラ。
形がさまざまでカラフルな花火。
シュー、ドーーン。
今度は、特大の花火。
辺り一面がパアーッと明るくなった。
「いやあ、きれいだなあ。」
ひっこはうれしそう。
「うん、きれいだね。」
ぼくは、花火の音に負けないように
大きな声で言った。

冬に近づき
どんどん弱っていくひっこ。
とうとう、一人では歩けなくなった。
寒い雪の日、
ひっこは、天国に旅立った。

ひっこと見た最後の花火
喜んでくれてよかったな。
ひっことの思い出ができて
ぼくもすごくうれしかったよ。
あの夜の花火。
楽しそうな笑顔。
わすれないよ、ひっこばあ。

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