花巻

被災児童へ心込め 富士大災害復興支援チーム 丸森町に励ましの言葉【花巻】

被災児童へ贈るメッセージ集と富士大「災害復興支援プロジェクトチーム」メンバー

 富士大の学生有志で結成された災害復興支援プロジェクトチームは、10月の台風19号で大きな被害を受けた宮城県丸森町の子供たちを励ますメッセージ集を制作した。チームのメンバー3人が学生たちへの呼び掛けを発案、2日までに293人分ものメッセージが集められた。同じ東北の地に学ぶお兄さん、お姉さんから寄せられた「どんな時でも前向きに進もう」「笑顔でいてください」といった言葉は、3日に丸森町へと届けられる。

 同チームは、社会科教諭を目指す学生の授業「社会科教育法4」を履修する相原壮典さん(21、経済学部3年)と遠山悠太さん(21、同)、大沼拓也さん(21、同)によって組織された。3人は同授業で丸森町立金山小学校などの被災について考え、講義から一歩進んだグループ学習で、不便を強いられている児童のためにできることを討論。チームリーダーを務める相原さんは「物やお金を贈ることより、富士大生みんなの心を込め、伝える手段としてメッセージカードを選んだ。子供たちには一人ではないことを理解し、少しでも前向きになってもらえたら」と語る。

 3人によるアイデアは学生たちの賛同を得て、わずか2週間ほどの募集で300枚に迫るメッセージが届けられた。それぞれのカードは名刺大ほどと小型だが、全てを張り付けたメッセージ集は幅4メートルを超える仕上がり。大沼さんは「小学生へのカードなので、分かりやすさを大切に協力してもらった。こんなに集まるとは思わなかった」と感激の表情で振り返り、遠山さんも「運動部の活動が盛んな富士大らしく、スポーツマンシップがにじみ出ている印象。子供たちの気持ちが少しでも軽くなってくれたら」と望む。

 3日は授業がある学生たちに代わり、同科目の佐々木義孝教授が富士大生の心がこもったメッセージを届ける。「金山小学校は今も校舎が使用できず(同町立)丸森小学校の一部教室で授業をしているという。岩手から少しでも被災児童を元気づけたい、という思いに多くの学生が応えてくれた」と、講義を聴くだけでなく、自らテーマについて話し、討論する授業から生み出された成果を喜んでいる。

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