県内外

賢治作品の魅力紹介 県立図書館資料展 新たに収集の201点公開【岩手】

県立図書館で開かれている第34回賢治資料展とテーマ展示「農民芸術~賢治の理想と実践」

 県立図書館が新たに収集した宮沢賢治関連資料を展示する「賢治資料展」が、盛岡市のいわて県民情報交流センター(アイーナ)内の同館で開かれている。併せて賢治の理想と実践にスポットを当てたテーマ展を開催し、賢治作品の魅力や人となりを伝えている。2020年1月13日まで。

 開館当初から郷土作家の資料を収集する同館の恒例企画。隔年で賢治資料展と啄木資料展を開催し、新たに収集した図書や雑誌、視聴覚資料などを県民に公開しており、今年で34回を数えた。

 今回は17年8月1日から2年の間に収集した賢治関連資料のうち201点を展示。父親が賢治の教え子だという著者が賢治の作品や活動と石鳥谷地域との関わりを考察し、賢治の親友の子孫や教え子を訪ねて聞き取りした記録などを収録した「続・賢治先生と石鳥谷の人々」(板垣寛著)、作家で環境保護活動家のC・W・ニコルさんらさまざまな分野で活躍する人が、賢治への思いや賢治が自分の人生に与えた影響などをつづった「わたしの宮沢賢治」シリーズなどの多彩な資料が集まった。

 「農民芸術~賢治の理想と実践」と題したテーマ展示では、「農民芸術概論綱要」を著した賢治が目指した理想と、羅須地人協会の活動などを3章構成で紹介。羅須地人協会の活動では土壌学や植物生理学など農業と関連する科学的知識を教えたり、周囲の人を集めたレコード鑑賞会を開いたり、オーケストラ演奏を計画して楽器演奏を練習したりしたことなどが紹介されている。

 このほか、館内各所で賢治にちなんだ企画が同時開催され、児童コーナーでは「絵からひろがる賢治の世界」と題し、賢治の童話などを原作とした絵本を紹介。館内3カ所では来館者による投票企画「賢治童話 わたしのいちばん!」が行われ、中間集計で「銀河鉄道の夜」「注文の多い料理店」などが人気を集めている。

 また高橋克彦氏や沼田真佑氏ら本県ゆかりの作家10人が薦める1編を紹介する「賢治童話わたしのいちばん!」では、各作家が推薦の理由やもし賢治が生きていたら聴きたいことなどをコメントしており、来館者の興味を誘う。

 同館企画広報課の鍋倉健一さんは「展示を機にまだ知らない賢治を知ることが出来るかもしれない。ぜひ足を運んでほしい」と話している。開館時間は午前9時~午後8時。27、29日~1月3日は休館。

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