一関・平泉

ビーツ “食べる輸血!?”の栄養価と“映える”カラーが気になる

渡邊さんの畑で収穫したビーツ。調理法としてはロシア料理のボルシチが有名。他にサラダ、スープ、カレーなどに使える。春まきと秋まきで年2回収穫でき、家庭菜園にもおすすめ
「令和に流行る野菜」4位にランクイン

 “食べる輸血”と称される栄養価の高さと色鮮やかな見た目が特徴の「ビーツ」が注目されている。タキイ種苗が2018年に行った調査「平成最後の野菜の総括」の中の「次の元号(令和)に流行ると思う野菜は?」の質問では、スプラウト、パクチー、フルーツトマトに次いでビーツが4位にランクイン。県内でもビーツの加工品が発売されるなど、地元産の新顔野菜の中で少しずつ存在感を増している。

 ビーツは地中海沿岸地方が原産の根菜。姿はカブに似ているが、ホウレンソウの仲間。実の赤色は抗酸化作用のあるポリフェノールによるもので、美容に欠かせないビタミンをはじめ、鉄分、カリウム、葉酸などを豊富に含み、さまざまな健康、美容効果が期待できるという。

一関産ビーツがドレッシングに
▲生産者であり野菜ソムリエでもある渡邊淳子さん

 一関市花泉町の渡邊淳子さんは2016年からビーツを栽培する。西洋野菜など約80品種を作る農家。ビーツが外食先で頼んだサラダに入っていたり、「スーパーモデルがスムージーにして飲んでいる」といった女性誌の記事を読んだりしてブームを予感した。

 あまりなじみがないだけに「生野菜で手に取ってもらうのはハードルが高い」と感じた渡邊さんは、手軽に食べてもらうためにJAのセミナーで学んだドレッシング加工を思いつく。チーズとバジルを加えた「美ーツドレッシング」として商品化すると、すぐに「岩手ぅんめぇ~もん!!グランプリ2017」の優良賞(6次産業化部門)を受賞するなど話題に。関心の高まりに応えようと、「使いやすいビーツパウダーをはじめ、加工品のラインアップを増やしたい」と意気込む。

▲渡邊さんが自家生産野菜で手作りする「Vege fru ハーモニー無添加ドレッシング」。右から「美ーツドレッシング」「とまとたっぷりドレッシング」「玉ねぎとねぎのピリ辛ドレッシング」(各540円)。一関市内の道の駅などで販売している
お店のスイーツにも
▲カフェダイニングどんぐりのビーツ入りベイクドチーズケーキ。鮮やかなビーツソースももちろん天然色。現在は予約販売のみ。1ホール2500円(税別)、店内飲食の1カット450円(税込み)

 スープやスイーツを鮮やかな赤色に染める写真映えの良さもビーツの魅力。JR一ノ関駅東口からほど近い「カフェダイニングどんぐり」では、天然のピンク色がかわいいビーツ入りベイクドチーズケーキを新メニューとして準備している。オーナーシェフの菅原郁子さんが、交流のある渡邊さんに「ビーツを使ってみて」と提案され、「色が生かせるスイーツに」とチーズケーキにした。「野菜でこの色が出せるのはすごい。ビーツでどんな料理ができるか、考えるとわくわくします」と菅原さん。生産者とシェフのタッグで、栄養満点のスーパーフード・ビーツが今年はもっと身近になりそう。

〔問〕Vege fru ハーモニー
電/0191・82・4210(FAX兼用)
メール/ watanabe-a@vegefru-h.com 

〔問〕カフェダイニングどんぐり
住/一関市字宇南1-5
電/050・1183・3954
営/11時30分~15時、17時~20時30分
休/月曜、元日

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