花巻

過去最高4億5000万円 返礼品の工夫奏功 花巻市 今年度ふるさと納税

 花巻市の2019年度のふるさと納税(花巻イーハトーブ応援寄附金推進事業)の寄付額は、過去最高の約4億5000万円に上っている。ポータルサイトへのアクセス数を増やすために返礼品の見栄えを向上させたり、アイテム数の増加など花巻のPRに努めたことが奏功し、寄付額は18年度実績の約1億9000万円に比べて2・3倍。今年度全体では昨年度実績の約4倍に当たる7億5000万円に上る見込みだ。

 同市の今年度を除いたふるさと納税の実績は15年度の約2億円が最高。17年度は約1億5554万円、18年度は1億9028万円とやや落ち込んだ。今年度は12月26日現在で約4億5000万円となり、過去最高を更新している。

 今年度当初は2億5000万円と見込んでいたが、4月以降は寄付額が増え、9月補正で歳入に1億円を追加。同月までの実績を基に12月補正で2億円を追加し、さらに10月以降も好調な実績を受けて2億円を追加した補正予算を市議会12月定例会で可決している。

 市は18年度から取り組みの見直しに着手。開始当初からのふるさと納税のポータルサイト「ふるさとチョイス」に加え、18年5月には大手通販・楽天のサイトでも寄付ができるなど納税環境を向上させた。さらに返礼品発送などを委託する花巻観光協会と連携して、両サイトの返礼品を調達する関連事業所に掲載写真や説明文を工夫して「見せ方」にもこだわり、アクセス向上とともに寄付額が増えた。

 今年度の返礼品は12月1日現在で18年の2倍以上となる581点。サイトへのアクセス数は4月1日から12月18日までで21万986件で、18年4~12月末の15万1547件に比べ、40%増となっている。転換率(アクセス100回に占める寄付件数の割合)は、18年の6・45%に対し19年は10・61%と向上している。

 サイトでは、人気の返礼品となっているプラチナポーク(白金豚)やリンゴ、エーデルワイン、牛肉「胡四の牛王」、花巻温泉郷宿泊券などが並ぶほか、障害者が描いたアート作品などバラエティーに富んだ花巻関連の物を紹介している。

 市定住推進課の菊池郁哉課長は「返礼品の数を増やすことや関係事業所に工夫して宣伝してもらうことを支援してきた。内容が充実したことで寄付額が増加に結び付いたのではないか」と話し、引き続き市や同協会のホームページやインターネット交流サイト(SNS)でPRしていく。

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