北上・西和賀

白木野人形送り わら侍に無病祈願【西和賀】

わら人形を担いで地区内を歩く白木野地区の住民

 西和賀町の無形民俗文化財となっている伝統行事「白木野人形送り」は19日、同町の白木野地区内で行われた。地区住民が侍姿のわら人形に疫病神を背負わせて外に送り出し、1年の無病息災を願った。

▲1年間の無病息災を願い、地域境の木にくくり付けられたわら人形

 疫病が流行した江戸時代中期に始まったとされ、毎年1月19日に行われている厄払い祭り。戦後ごろまでは旧湯田町の各集落で行われ、1982年に同町の無形民俗文化財に指定された。

 出発前の白木野公民館には住民約20人が集まり、昔ながらの方法で厄払い用の人形を作製。持ち寄った稲わらを手分けしてよったり、束ねたわら同士を縛ったりしながら、高さ1メートル超のかみしも姿の侍人形を協力して仕上げた。

 住民は完成した人形を担ぎ出し、行列をつくって同公民館を出発。ほら貝や太鼓を鳴らして約700メートル練り歩き、隣の集落との境付近にあるクリの木に人形をくくり付けた。

 高齢化に伴い参加者の中心が中高年となる中、10代で唯一参加した小田島咲綺さん(湯田中学校2年)は先頭でほら貝を吹く重役を担当。「こうした行事に参加できるだけでもすごいのに大事な役をやらせてもらえてうれしい。来年は受験があるので、健康に気を付けながら勉強を頑張りたい」と抱負を語った。

 幼少期から同行事に関わる地元の髙橋美通さん(83)は「こんなに天気に恵まれたのは初めて。外から集落に病が入るのを防ぎ、冷害にならない1年にしたい」と祈っていた。

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