一関・平泉

新型肺炎 市民生活にも影響 マスク店頭品薄 医療機関 受け入れ体制整備【一関】

新型コロナウイルスによる肺炎が拡大する中、品薄状態が続くマスクやアルコール除菌用品の売り場=一関市石畑のいわて生協コープ一関コルザ
新型コロナウイルスの感染が疑われる患者の受け入れに備えて設けられた待機室=一関市大手町の一関病院

 新型コロナウイルスによる肺炎の拡大を受け、一関地方でも警戒する動きが各方面に広がっている。マスクなどの衛生用品は品薄状態が続き、インフルエンザや花粉症の流行期とも重なって市民生活に影響が出ている。感染が疑われる患者の受け入れを見据えて体制を整備する医療機関もある。県は8日から専用外来と相談センターを稼働させるなど対策を進めている。(報道部・千葉順子)

 一関市内の薬局やドラッグストア、スーパーマーケットなどでは、マスクやアルコール除菌用品などの品薄状態が続く。同市石畑のいわて生協コープ一関コルザ(杉本和彦店長)は薬店部門に通常30種類ほどマスクを陳列しているが1月下旬から品薄となり、アルコール消毒液や除菌用ウエットティッシュなども完売が相次ぐ。メーカーで欠品が起きているといい、店内に「納品状況は未定」「マスクは一人1点まで」と張り紙を出して理解を求めている。従業員は「売る側としても心苦しい」と話す。

 市民からは「店をあちこち回ってマスクを探したが、どこにもない」「花粉も飛ぶ時期なのでマスクを買いに来た。品物がなくてびっくりした」と戸惑う声が聞かれる。奥州市衣川から買い物に訪れた菅原友子さん(60)は「新型コロナウイルスのほか、インフルエンザも気になる。不安があおられる」と心配する。

 国内外で事態が刻々と変わる中、医療機関も情報収集や対策を行っている。一関市大手町の一関病院(佐藤隆次院長)は、行政や医師会の指導を受けながら職員間で体制を検討。柳沢瑛副院長を室長とする感染対策室を立ち上げ、感染の疑われる患者が来院した場合に備えて正面玄関脇に待機室を設けた。同病院総務課の千田訓裕課長は「院内感染を防ぐため、明らかな症状がある人への対応として考えた」と話す。

 県は医療政策室と県内10保健所に「帰国者・接触者相談センター」、2次保健医療圏ごとに1カ所以上の「帰国者・接触者外来」を設置、8日から稼働させた(保健所は10日から)。感染が疑われる人は医療機関の受診前に同センターに電話で相談するよう促している。

 感染が疑われる症状の例は▽発熱または呼吸器症状があり、感染が確定した人と濃厚接触歴がある▽37・5度以上の発熱と呼吸器症状があり、流行が確認されている地域に渡航歴、または居住歴がある―など。

 一関保健所保健課の菊池浩子課長は「風邪と同じような症状なので、予防には手洗いやうがいなど標準的なことをしっかりしてほしい。マスクがなくても手指に付いたウイルスから鼻や口を通じて感染しないように遮断するため、手洗いや消毒で落とせばリスクはかなり下がる」と呼び掛ける。

 相談や問い合わせは同保健所=0191(26)1415=、または県庁医療政策室=019(651)3175=へ。

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