花巻

3年ぶり「計測不能」 たろし滝測定会【花巻】

氷柱が底部まで届かず「測定不能」となったたろし滝測定会

 氷柱の太さでコメの作柄を占う「たろし滝」測定会は11日、花巻市石鳥谷町大瀬川地内で開かれた。46回目となった今年は暖冬傾向もあり、氷柱が滝つぼまで届かず。3年ぶりに「計測不能」と判断され、ご託宣は「不作」となった。

 森から葛丸川に注ぐ沢水で冬季に出現する氷柱の太さを測り、コメの出来を占う地域行事。大瀬川たろし滝測定保存会(板垣寛会長)が1975年から取り組み、近年は建国記念の日に実施されている。過去45回のうち最大(太さ8・0メートル)を記録した78年は大豊作、大冷害に見舞われた93年は計測不能など、立派な氷柱ができると豊作に恵まれるとされる。

 測定会には同保存会員や上田東一市長、佐々木順一県議、観光客など約150人が参加。地元の大瀬川神楽保存会による御神楽奉納に続いて測定と判定、川柳発表、来賓祝辞、たろし滝讃歌(さんか)の披露などが行われた。

 終了後は地元ボランティアグループが熱々の甘酒、ひっつみを振る舞い、参加者を喜ばせた。

 今年は厳しいご託宣となったが、地球温暖化の影響か、平成年間では2年に1回ペースで計測不能を記録したのが現実。占いとは逆に豊作となった年も多いものの、板垣会長(88)は恒例の川柳で「温暖化 被害怖くて 太れない」と地球環境破壊を憂い、令和初の測定を「たろし滝は温暖化が顕著に進んでいることを教えてくれているように思う。努力次第で豊作になる」とまとめていた。

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たろし滝
▲いわて百景「たろし滝」2018年2月15日付

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