北上・西和賀

古里誇りに日英共同舞台出演 西和賀出身 田中宏樹さん

田中宏樹さん(文学座提供)

 西和賀町出身で劇団文学座に所属する田中宏樹さん(37)は、2月から3月にかけ国内外で巡回中の日英共同制作公演「野兎(のうさぎ)たち」に出演している。役者として舞台の第一線で活躍する田中さんは「魅力的な企画で集中しないと挑めない作品。お客さんに楽しんでもらえるよう一つ一つ大事に演じたい」と思いを語る。

 田中さんは専大北上高卒。東京都の専門学校卒業後の2003年に文学座研究所入所、08年に座員となった。「トムは真夜中の庭で」「なつやすみこどもフェスティバル『おやゆび姫』」などに出演。このほかアニメやドラマ・映画の吹き替え、朗読劇など多方面で活躍している。

 出演中の「野兎たち」は、英国出身の劇作家ブラッド・バーチさんが日本各地を取材して書き下ろした作品。日本と英国の国際結婚を通じ、文化の違いや結婚への価値観など登場人物の内に秘めた思いから、知られざる家族の姿が浮き彫りにされていく。田中さんは日本人家族の同僚役を演じる。

 オーディションで出演を決めた田中さんは「物語の重要な人物の親友という役どころで、決まった時はうれしかった。この企画に関われることがエキサイティングだ」と喜びをかみしめる。「作品では現代の日本を舞台に家族の擦れ違いによる不安や孤独が描かれている。そうした問題は当然どこの家庭にもあって、国籍や立場を超え誰にでも引っ掛かる部分があると思う」と見どころを語る。

 初の海外公演については「シェークスピア生誕の地の英国はストレートプレイ(会話劇)の聖地のような国。そこで演じることでお客さんからどんな反応が返ってくるのか楽しみであり、ドキドキもしている」と気持ちを高める。

 幼い頃から地元劇団で活動する父親の姿を見ながら芝居に親しみ、地元を離れてから本格的に役者の道を歩み始めた。「西和賀は自分を育ててくれた厳しくも美しい場所。尊敬する地元の人たちにとって自慢の存在になれるようこれからも頑張りたい」。生まれ育った古里への感謝と誇りを胸に舞台に立ち続ける。

 16日に東京公演を終え、残る公演は22~29日に岐阜県可児市文化創造センター、3月12~21日に英国リーズ・プレイハウスで上演される。

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