新型肺炎 規模縮小し卒業式 時間短縮、簡素化 県内高校【岩手】
県内各地で1日、県立、私立高校の卒業式が行われた。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため在校生を原則参加させないなど規模を縮小する措置が取られ、出席者の大半がマスク着用で出席した。例年の卒業式とは異なる状況下で、卒業生が仲間との思い出を胸に学びやを巣立った。
感染拡大に伴い出された文部科学省通知を踏まえ、県教委が各高校に卒業式の簡素化を2月26日に通達。感染のリスクを減らすため、出席者は卒業生と保護者、教職員に限り、在校生は送辞などやむを得ず出席が必要な場合に限るなど学校で判断することとした。
このうち北上市村崎野の黒沢尻工(三田章徳校長)では卒業する本科232人、専攻科9人、保護者、教職員、来賓が式に出席した。
在校生を出席させず、来賓数も最小限に絞った。例年は卒業生一人ひとりに卒業証書を校長が手渡ししていたが、クラスの代表授与とし式典時間を短縮。出席者のマスク着用、アルコール消毒の徹底など対応に当たった。
卒業生を代表し、山田梓さん(電子機械科)は「貴重な学びを仲間と共に経験し、黒工で過ごしたことは生涯の財産。学校生活で出会えた友、先生、後輩との別れは名残惜しいが、互いの将来を信じそれぞれが活躍することを願って頑張りたい」とあいさつ。出席者全員で校歌を斉唱し、学びやを後にした。
三田校長は「政府の要請を受け、急きょシナリオ変更した部分が多く皆で知恵を出し合って対応した。無事卒業生を送り出すことができてほっとしている」と胸をなで下ろした。
県立高校の卒業式は3日まで、花巻東は3日に行われる。