花巻

地域包括ケア充実へ 総合花巻病院 外来診療スタート

2日に外来診療が始まった新病院1階の受付

 花巻市御田屋町に移転改築された総合花巻病院(後藤勝也院長)は2日、外来診療を開始した。開院した1日に入院患者の移送を完了させた。新しい病院では地域包括ケア病棟を充実させるなど健康と命を守る同市の医療施設の中心を担っていく。

 新病院は同市花城町の施設の老朽化などにより、旧病院から約800メートル南東の旧県立花巻厚生病院跡地に移転。病院本体と、市道を挟んだ南側(同市東町)に花巻高等看護専門学校の新校舎、事業所内保育所(定員54人)の計3施設で構成する。本体には4月利用開始予定の特定施設・介護付き有料老人ホームを併設した。

▲総合花巻病院の移転開院を祝い、テープカットする大島理事長(中央)ら関係者

 2日には開院と診療開始を祝い、管理・運営する公益財団法人総合花巻病院の大島俊克理事長、山下純一副院長ら関係者5人が待合ホールでテープカット。大島理事長は「移転整備が計画されてから5年弱が経過しての完成となり大変うれしい。病院に併設して老人ホームでは医療と介護の切れ目のないサービスの提供ができる。院内は広いスペースで職員にとっても働きがいのある病院となり、花巻に根差した病院として運営していきたい」と抱負を語った。

 病院本体は、鉄骨造り6階建て、延べ床面積2万1096平方メートル。1階は外来と救急、放射線の各診療など、2階は健診センター、リハビリテーションセンター、化学療法室、法人事務室のほか、多目的ホールを設けた。3~6階は病棟(回復期3階、一般4、5階、地域包括ケア6階)、3~5階の介護付き有料老人ホーム「ケアメディカルはなまき」は85の個室を整備した。

 病床数は198で、内訳は一般病棟88床、回復期リハビリテーション病棟58床、地域包括ケア病棟52床。診療科目は現時点で内科、外科、循環器科、呼吸器科、泌尿器科、脳神経内科など12科に対応する。

 同日は、移転で休止していた救急診療や予約制による外来診療を再開。外来診療のため夫の付き添いで訪れた同市内の女性(79)は「聞いていた通りの立派な病院。こうした医療体制が整った病院があると安心する」と話していた。

市街地循環バス 乗り入れ開始

 総合花巻病院の移転開院に伴い、花巻市が運営する市街地循環バスなど市街地を通る7路線が2日から同病院への乗り入れを開始した。市街地循環バスは出入り口前まで乗降可能となり利便性を高めた。

 診療開始に合わせ同病院を通るルートに変更されたのは、同循環バス(右回りのふくろう号、左回りの星めぐり号)と、県交通の石鳥谷線、成田線、花巻温泉線、天下田団地線、土沢線、大迫花巻線。

 循環バスの停留所は、開院前の「東町」から開院後は「総合花巻病院前」に改称。県交通は新病院前にバス停「総合花巻病院」を新設して対応した。これに伴い、県交通はルート見直しなどで旧3町地域から石鳥谷線、大迫花巻線、土沢線の各1本で新病院にアクセスできるように変更した。

 また、市は循環バスの旧病院(同市花城町)バス停を廃止し、旧病院から約20メートル南側の市道上町花城町線上にバス停「花城町」を新設した。まなび学園や花巻地区合同庁舎などを利用する市民に配慮した。

▲総合花巻病院の診療開始に合わせ乗り入れを開始した市街地循環バス

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