奥州・金ケ崎

上質な甘みと香り 江刺りんご 季節限定「恋桜」発売【奥州】

「恋桜」の記者発表会で自慢のリンゴを手に笑顔を見せるJA江刺の小原専務(右)と小沢りんご部会長

 JA江刺(小川節男組合長)は5日、「江刺りんご」共選共販40周年を記念し、季節限定のオリジナルリンゴ「恋桜(こいざくら)」を発売する。恋桜は、秋に収穫した「高野5号」を低温貯蔵して越年し、収穫した時のままの味わいを残し、リンゴがなくなる春に出荷する。「桜の花が咲く頃に大事な人を思う時、贈ってほしい」との願いを名前に込めた。同JAりんご部会の小沢静雄部会長は「地方から新しい物を生み出す勢いを発信したい」と話している。

 4日には奥州市江刺八日町のホテルニュー江刺新館イーズで記者発表会が開かれ、同JAの小原武雄専務理事が「元気を発信したいとの思い。ブランドとして確立するよう育て上げ、おいしい物を届けられるよう努めたい」とあいさつ。小沢部会長が江刺りんごの特徴と、新商品「恋桜」について説明した。

 恋桜は、収穫直後に「1―MCP」鮮度処理をかけ、0~1度の低温貯蔵した。硬度13ポンド以上、糖度15度以上。爽やかで上質な甘みとともに口の中で栗のような甘い香りが広がる。小沢部会長は「今までにないリンゴ」と自信を見せる。

 長期貯蔵によって懸念される硬度や味わいが落ちないのが、「奥州ロマン」として知られる高野5号を選んだ理由。収穫期の10月は他のリンゴ品種ばかりでなく果物が多く出回る時期だけに、より多くの人に味わってもらう方策の一つとして低温貯蔵で時期をずらす出荷とした。

 2019年は25人の生産者が330アールの園地で3614本を栽培。昨年10月15~20日ごろに収穫したリンゴを越年処理し、5キロ入りで370ケースが出荷可能という。5日から県内と首都圏に出荷する考え。一部は同JAの通販サイトなどインターネットでも販売する。

 今回は新商品として等級にも新たな呼称を採用。上から「満開の恋」「叶(かな)わぬ恋」「傷ついた恋」とし、満開の恋は特製の化粧箱に入れて販売する。小沢部会長は「『叶わぬ』といっても、もうちょっとというぐらいの物。『傷ついた』というのは、リンゴは傷やさびが付きやすい。ただ味は変わらずおいしい。『満開』は言うまでもなく素晴らしい出来」と語っている。

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