一関・平泉

春彼岸 色鮮やかに 削り花作り盛ん 藤沢・下大籠共老会【一関】

地元では春の風物詩となった色鮮やかな「彼岸花」の仕上げ作業

 一関市藤沢町大籠地区で8日、「削り花」と呼ばれる木製の造花作りが行われた。山里に春の訪れを告げる風物詩の一つで、隣接する宮城県気仙沼市本吉町から伝わって以来30年余りにわたり、地元老人クラブのお年寄りらが作り続けている。春先に市場へ出回る生花が少なかった当時、彼岸に供える造花として地区民のために作ったのがきっかけといい、「彼岸花」の名でも親しまれ、今季も地区内を中心に300束を出荷する。

 作っているのは下大籠共老会(畠山進会長)。1988年に本吉町の老人クラブに指導を仰ぎ、会員4、5人が技術を習得して以来、春彼岸に合わせて作っている。会員の触れ合いや生きがいづくりにつながる取り組みとしても評価され、2008年には県老人クラブ連合会長表彰を受けた。

 花の部分は、新芽を山菜として味わえるコシアブラの木の細めの幹が材料。11月に山から切り出し、翌年2月に地区内の千松自治会館に集まって皮を剥ぎ、2、3日置いて乾燥させた後、長さ10センチほどに切りそろえた木棒の先を専用の刃物で箒(ほうき)状に薄く繊細に切り裂いて仕上げる。

 切り裂く作業は例年3日間連続で行われ、1日ほど乾燥させた後、赤と紫、ピンク、青、黄の5色に染めて完成させる。これをハギの枝の先端に取り付け、青々と葉を茂らせたツゲの枝を添えて5色一組として花束にまとめ、ラッピングするというのが一連の工程だ。

 同日は男女会員17人が集まり、取り付けからラッピングまでの総仕上げの作業に励んだ。参加最高齢の高橋義男さん(91)は、会員の誰もが認める熟達した技術を誇るベテラン。5色を束ねる際のアレンジにも真剣な目を向け「皆さんの先祖のため、心を込めて作っている」と話した。

 下大籠共老会のように組織的に作ってまとまった数を出荷するのは珍しく、今では本吉町へも出荷するほどだという。開始当初を知る佐藤幸雄さん(87)は「父親の代から引き継いだが、会員が減り続け、材料の調達にも課題を抱えているのが現状だ。新規入会に期待し、できる限り継続したい」と話した。

 毎年予約制で作っていることから、地区外では本吉町内の産直施設に一部が出回る程度。見た目はヒガンバナよりもキクに似た仕上がり。春彼岸には地元の墓地が5色の「彼岸花」で明るく彩られ、壮観だという。

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