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五輪通じ復興発信 震災9年知事インタビュー 被災地の経済回復に力【岩手】

東日本大震災から9年を前にインタビューに答える達増知事=県庁

 東日本大震災の発生から11日で9年となる。達増拓也知事は岩手日日新聞社など報道各社のインタビューに応じた。被災者の心のケアやコミュニティー形成支援をはじめ、人口減少や復興需要縮小に伴う経済への影響に取り組むとした上で、夏の東京五輪・パラリンピックを通じて被災地の復興を発信し、観光振興につなげる考えを示した。

 ―被災地の現状と課題は。

 災害公営住宅が沿岸全てに完成したほか、2020年度末までに復興道路が全線開通する。被災者の心のケア、コミュニティー形成支援、造成地における住宅再建支援はまだ続けていかなくてはならない。水産業の漁獲量減少、商工業の販路の回復は課題として残っている。人手不足問題があり、人口減や復興需要縮小による地域経済への影響も懸念され、そうした課題に正面から取り組んでいく必要がある。

 ―国への要望は。

 復興の枠組みの中で引き続き支援していくことを国に求めたい。日本全体で東京一極集中が加速し、本県でも人口減少や首都圏へ人口が流出しており、地方創生と復興を進めるという方向性をさらに強化してもらいたい。

 ―被災地の経済の現状は。

 復興事業、建設事業が主だった地域経済から、本来あるべき観光や加工を含めた水産業など、本来やるのに条件がいい、やりたい人たちがいる分野が伸びていくように、被災地の経済構造を変えていければと思う。

 ―復興五輪に向けた取り組みは。

 聖火リレーをはじめ、選手村の県産木材や県産食材の活用、県産リンドウが使われたブーケなどで関わっていく。また、ホストタウン、事前キャンプ事業など、個別のチームや国との交流を通じて復興を発信していく。本県としても参画し復興五輪を成功させ、観光振興や経済的な面で沿岸被災地に効果が及ぶことを期待したい。

 ―恒久住宅への移行については。

 現在、応急仮設住宅に入居している人のほとんどは、20年度内に恒久住宅に移行できる見通しだが、資金的事情などにより退去時期や再建方法がまだ決まっていない人がいる。市町や関係機関と連携して、一日も早く恒久的な住宅に移行できるよう個別に支援していく。応急仮設住宅の解体、撤去は20年度内の完了を目指し調整しているが、退去状況によっては21年度に持ち越す柔軟な対応を考えている。

 ―被災者の心のケアは。

 被災地では時間の経過に伴って、被災者の抱える問題が複雑化、多様化していることもあり、復興の進捗(しんちょく)に対応した心のケア対策は、中長期的な取り組みが必要と考えている。子供の心のケアについても、震災直後には問題がなかったが、何年かたってから問題が見られるケースもあるので、震災から何年で打ち切るという機械的な対応ではなくて、一人ひとりに寄り添うようにしながら、必要なケアを続けていきたい。

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