一関・平泉

オリジナル菓子共同開発 修紅短大と松栄堂(平泉) 学生4人、卒業研究で

卒業研究として修紅短大のオリジナル菓子を開発した(左から)及川さん、佐々木さん、髙橋さん、秋田谷さん
苺の手作りバウム
三色ソルトメレンゲ

 一関市萩荘の修紅短大食物栄養学科の学生4人が、卒業研究として菓子製造・販売の松栄堂(本社平泉町、小野寺宏眞代表取締役社長)と同短大オリジナル菓子を共同開発した。春の味覚であるイチゴでスクールカラーの赤色を表現するなど幅広い年代に好まれそうな商品となり、学生たちは「修紅らしさを表現した。ぜひご賞味ください」とアピールしている。

 共同開発された菓子は「苺の手作りバウム」(8個入り箱セット税込み1500円)と、「三色ソルトメレンゲ」(3個入り税込み500円)。「苺の手作りバウム」は、ピンク色の生地にイチゴジャムを使用したバウムクーヘン。「三色ソルトメレンゲ」は甘さの中に塩を効かせたメレンゲで、ピンクは学びやへの感謝、ホワイトは何でも吸収するという清廉な気持ち、ブルーは今後社会に出て成長を目指す希望がそれぞれ表現されている。

 開発に携わったのは、及川真歩さん(20)、髙橋琴美さん(20)、佐々木優李さん(20)、秋田谷南月さん(20)。2003年度に松栄堂と共同開発で販売開始された同短大オリジナル菓子「まんじゅう『修紅桜』」が値上げしたことなどによって、19年度の同短大入学式では売れ残ってしまったことなどから、多くの人が買い求めやすい菓子を研究。和風から洋風に転換しようと、バウムクーヘンとブラウニーの製品化に取り組んだ。

 当初は安くて買い求めやすい物を考えたが、松栄堂側の勧めを受けて付加価値がある高級路線の菓子にすることを決定。昨年10月から11月まで学内で試作を繰り返し、一関の特産品である南部一郎かぼちゃの使用を見据えた▽かぼちゃのバウムクーヘン▽かぼちゃの種入りブラウニー―と、スクールカラーの赤色をイチゴで加える▽いちごのバウムクーヘン―を候補としたうち、いちごのバウムクーヘンが商品化に至った。

 バウムクーヘンについて、及川さんは「試作を繰り返したことが印象に残っている。フライパンで焼いたので焦げたり破れたりしてうまく巻くのが大変だった」と振り返り、髙橋さんは「商品は自分たちが作ったようなもちもちとした食感にはならなかったが、商品化は2年間の学生生活の中でも大きかった」と語る。秋田谷さんは「個人的にも好きだし、イチゴは今の時期に合う」と勧めている。

 「三色ソルトメレンゲ」は、バウムクーヘンとは別の菓子をもう一つ手掛けたいという松栄堂の意向があったため、4人がメレンゲに三色だんごのように色を付けて意味合いを持たせようと考案した。佐々木さんは「ただ甘いだけでなく、塩がちゃんと効いてアクセントになった」と話す。

 4人を指導した同短大食物栄養学科長の髙橋秀子教授は「松栄堂側が学生たちを育てる流れをつくってくれた。商品を見る目が変わったのではないか」と教え子の成長を期待している。

 商品は14日の卒業式会場で販売され、「苺の手作りバウム」は完売。「三色ソルトメレンゲ」は同市山目のイオン一関店内の松栄堂店舗で限定販売される。

▲修紅短大食物栄養学科の卒業生と松栄堂が共同開発した「苺の手作りバウム」(上)と「三色ソルトメレンゲ」(下)

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