奥州・金ケ崎

「春競馬」無観客開催 新型コロナで初の措置 県組合

初の無観客競馬の実施を知らせる看板が掲げられた水沢競馬場

 県競馬組合は18日、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、20日から奥州市の水沢競馬場で始まる岩手競馬の「春競馬」を無観客で実施すると発表した。30日まで6日間の開催期間のうち差し当たり前半の20~22日分。無観客レースは同組合が発足した1964年以降で記録はなく、初めてとみられる。

 無観客競馬は、日本中央競馬会(JRA)が2月29日から継続し、各地方競馬も相次いで実施。無観客の開催中は盛岡、水沢両競馬場、場外発売所に入れず、直接の馬券発売も中止するため、インターネット利用での馬券購入となる。

 2019年度の収支見通しは春競馬の通常開催を想定して3200万円の黒字見込みだった。同組合によると、3日間で計33レースが予定され、現金での発売計画額2億円余りがなくなる分、粗利ベースで4500万円ほどの減収が見込まれる。

 仮に28~30日も同様の措置が取られた場合は減収も2倍になるが、一方でネット発売の売り上げ増が見込まれ、光熱費や警備委託費など経費の不用額も増える。黒字幅が減ったとしても岩手競馬の存続条件となる「単年度の収支均衡」は維持できる見通しという。

 春競馬後半の28~30日の開催に関しては状況を見て改めて判断する。

 県競馬組合の千葉義郎事務局長は「春競馬を待ちわびていたファンの皆さんには大変申し訳ないが、感染拡大防止のためやむを得ない判断。レースは予定通り行うのでインターネットでのライブ中継を見ながら岩手競馬を応援してほしい」と話し、同組合副管理者の小沢昌記奥州市長は「レースの開催自体は歓迎する。新型コロナウイルスの影響もあるので安全面に細心の注意を払い、望まれる競馬を実施してほしい」とコメントした。

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