北上・西和賀

無火災や五穀豊穣祈り 規模縮小し3地区合同火防祭・二子【北上】

権現舞で無火災などを祈願する二子町の3地区合同火防祭

 北上市二子町の上宿、下宿、和小路の3地区合同火防祭は21日、同町内で行われ、神輿(みこし)のお通りや権現舞による祈祷(きとう)などで地域の無火災や感染症防止などを祈った。新型コロナウイルスに配慮し規模を大幅に縮小。山車巡行のほか、花を添える踊り参加の子供や女性の姿はなく少し寂しい祭りとなった。

 3集落の火防祭は、火ぶせ信仰の一環として100年以上の歴史があるといわれ、毎年準備から運営まで地域を挙げて取り組んでいる。

 同日は午前10時半に永明寺を出発。消防ポンプ車や秋葉神社のご神体と永明寺の鎮守様が入った神輿2基を車に乗せ、例年の半数ほどとなる関係者約70人が神楽のおはやしとともに行進。各公民館など町内10カ所以上を回り、権現舞を披露し、無火災や五穀豊穣(ほうじょう)などに加え、地域に新型コロナが入ってこないようを祈願した。

 例年、大型の山車3台と一緒にあでやかな祭り装束に身を包んだ子供や女性たちが太鼓や笛を鳴らしながらパレードしたり、門付けに合わせて踊りを披露したりするのが習わし。今年は新型コロナの感染拡大に配慮し取りやめた。

 規模を縮小しての開催は東日本大震災があった2011年以来9年ぶり。主催する宿三部落協議会の菊池忠芳会長(76)は「中止も検討したが、県内で感染者が発生していないので規模を縮小して実施した。時世だからしょうがないとは思いつつもちょっと物足りなさを感じた」と話した。

 お通りを見物した会社員及川初夫さん(52)=同市二子町宿=は「子供たちが着飾って踊りを披露するのを楽しみにしていただけに祭りに花がないのは残念」と悔しがり、長女真優さん(二子小学校4年)は「来年こそはいつも通りのお祭りで踊りを見せたい」と期待した。

 規模を縮小して22日に行われる築舘地区を最後に、町内の今年の火防祭は終了する。

momottoメモ

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