地域密着の活動評価 東北芸工大 「芸術大学校」に学長奨励賞【金ケ崎】
東北芸術工科大(山形市)の学生が中心となって取り組んできた「金ケ崎芸術大学校」は、同大から2019年度学長奨励賞を受けた。金ケ崎町の国選定城内諏訪小路重要伝統的建造物群保存地区(伝建群)内にある旧菅原家侍住宅を拠点に、住民との協働で多様な学びや体験の場を展開。地域に密着した活動が学内からも評価された。
同賞は同大の学生を対象に、全国大会で優秀な成績を収めた、顕著な社会貢献や社会活動を行ったなどの個人・団体を表彰している。今年度は4人3団体が対象。「金ケ崎芸術大学校」も伝建群を拠点に芸術文化の発展に寄与したとして選ばれ、19日に中山ダイスケ学長から授与された。
「金ケ崎芸術大学校」は同大の芸術学部美術科総合美術コースの市川寛也講師の研究室が18年度から展開している。旧菅原家を学生の学外の学びの場・サテライトキャンパスとし、住民をはじめとする活用希望者のまちづくりや生涯学習、創造的な活動の拠点に設定。学生や住民の企画で芸術・工芸から生活分野に至る多様なイベントを実施する「開校日」を中心に活動しており、旧菅原家の整備・活用にも寄与している。
発足当初から活動し、学生代表で賞状を受け取った大久保明香さん(4年)は「初めて来た時から地域の皆さんに世話になっている。(今後も)学生が地域の人と一緒に金ケ崎を盛り上げてほしい」とさらなる取り組みの推進を願った。
市川講師も「特に今年度は学生の主導でたくさんの企画を実施した。山形と岩手の距離は決して近くはないが、頻繁に出向いて取り組んだことも一つのポイントとして評価されたのでは」と喜んだ。