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東京五輪延期 県内自治体 困惑 関連イベント断念も【岩手】

聖火リレーまでの日数を数えるために盛岡市が準備した「デイカウンター」。中止を受けて26日の設置を取りやめた

 新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に伴い、東京五輪の延期、聖火リレーの中止が24日に決定した。一夜明けた25日、海外チームの事前合宿や聖火リレーの準備を進めていたホストタウン登録自治体にも困惑が広がり、担当者は不安を抱えながらも情報収集やイベントの取りやめなどの対応に追われた。

 県内では19市町村が「ホストタウン」「復興『ありがとう』ホストタウン」に登録。大会前後に選手団との交流イベントなどを予定していた。

 このうち県都・盛岡市は、県内初のホストタウン登録自治体として、水球や7人制ラグビーのカナダ代表チームと事前合宿に関する覚書を締結。7月には各競技の選手団が市内で強化合宿や公開練習を行う予定だったが、カナダ側は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて「年内開催なら選手団を派遣しない」との方針を示していた。24日に五輪延期が決定し、カナダからホストタウン事業の継続へ前向きな回答が得られたものの、年内の交流は断念せざるを得ない状況となった。

 このほか、市は聖火ランナーが市内を走るまでの日数をカウントダウンする「デイカウンター」を準備。26日に本庁舎前に設置する予定だったが、聖火リレーの中止を受けて見送った。市スポーツ推進課スポーツツーリズム推進室の坂本淳室長は「延期は残念だが、今後の方向性がはっきりしたことで先が見通せないという不安はなくなった。市民のテンションが下がらないよう、しっかり準備を進めていく」と語った。

 2019年のラグビーワールドカップ(W杯)釜石開催を契機にナミビアのホストタウンとなった宮古市では、選手団の試合をパブリックビューイング(PV)で応援するなどのイベントを計画していたが、見送りとなった。田中富士春生涯学習課長は「戸惑いはあるが、中止は避けられたので良かった。大会に向けた機運醸成を進め、五輪というビッグイベントを盛り上げていきたい」としている。

 県オリンピック・パラリンピック推進室の高松秀一連携調整課長は「新型コロナウイルスの影響で行き来できない国もあるため、今後の対応は各自治体で相手国と協議しながら慎重に進める必要がある。県としても取り組みが将来に生きるよう後押ししたい」と強調した。

 聖火リレーが延期日程に合わせて行われる場合、現在内定しているランナーが優先的に走れるよう組織委員会が検討しているといい、同室の木村久室長は「感染状況を見て情報収集しながら、当初の形で実行できるよう取り組んでいきたい」としている。

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