高次脳機能障害に理解を 当事者支援へかるた作製 雫石・リハビリテーションセンター【岩手】
雫石町のいわてリハビリテーションセンターは、高次脳機能障害者の支援を目的にかるたを作製した。当事者が実際に感じた悩みや経験した症状などを札にし、当事者のリハビリや地域社会の障害への理解促進に役立ててもらう。
高次脳機能障害は、交通事故や病気がきっかけで脳がダメージを受けることで表れる重い障害のこと。「集中力がない」「疲れやすい」といった注意障害や「覚えられない」といった記憶障害、予定を立てて行動できないといった遂行機能障害、やる気が起きないといった社会的行動障害などがある。
身体上の障害とは異なり表面的には目立たないことから周囲に理解されにくく、本人も以前の自分とのギャップに悩んだりすることから、当事者や家族の思いや悩みを共有するツールとしてかるたの作製を考えた。
読み札は「モヤか?霧か?頭の中に強力ワイパー欲しくなり」など聞き取りを基に当事者目線で作製。取り札には絵のほか「脳が疲れてくると頭に霧がかかったように感じることがある」と障害への理解が進むよう一言メモを添えた。
同センターの大江みづほ医療社会事業専門員は「かるたは当事者やその家族の思いを共感するツール。リハビリや思いの共有が進めば」と語り、同センターの上田大介総合相談科長は「同じ悩みや経験を持つ人が集い、ためになる情報を得られるきっかけになればいい」と話す。
かるたは、レクリエーションや認知訓練などで活用してもらおうと50部を作製。県内の高次脳機能障がい地域支援拠点機関、いわて高次脳機能障害友の会イーハトーヴ、回復期リハビリテーション病院・病棟に配布し、希望者には貸し出す。