一関・平泉

【新型コロナ】中尊寺など拝観休止 あすから順次 平泉町内経済へ影響必至

 平泉町の中尊寺(山田俊和貫首)は9日、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から11~26日の期間、境内の金色堂および宝物館「讃衡蔵(さんこうぞう)」の拝観を休止すると発表した。同じく同町にある達谷西光寺(達谷窟敬祐別当)でも13~21日の期間で寺務所閉鎖などの措置を取るほか、毛越寺(藤里明久貫主)も1週間後をめどに拝観を休止する。町では中尊寺の拝観休止に合わせて11日から同寺と毛越寺境内に隣接する町営駐車場を閉鎖することを決め、今後本格的な観光シーズンを迎える町内経済への深刻な影響が懸念される。

 政府の緊急事態宣言発令を受けたもので9日に中尊寺、毛越寺をはじめ町、平泉観光協会、平泉商工会の代表が対応を協議。感染症拡大防止と町民、観光客らの健康安全確保を最優先するとの認識で一致した。

 このうち中尊寺では、密閉空間に当たる金色堂と讃衡蔵のほか、守札所や朱印所、売店、かんざん亭など境内で対面業務を伴う施設を全て休止。祈祷(きとう)や写経などは郵送やファクスで受け付ける。新型コロナの感染状況次第では休止期間の延長もあるとしている。

 金色堂が拝観休止となるのは1968年の大修理竣工以降、88年の保存施設改修工事に伴い3週間行われて以来のことで、同寺の菅原光聴執事長は「誠に断腸の思いではあるが、感染症拡大防止と早期収束を願い決断した。拝観は休止となるが、感染症による病魔退散祈願、罹患(りかん)物故者の方々への供養を始め、寺としての法要は日々勤めていく」としている。

 達谷西光寺では、13日から寺務所の窓口を閉めて参拝客の対応を原則休止。境内は午前9時~午後4時45分の時間開門し、密着を避ける注意書きを掲示した上で達谷窟(たっこくのいわや)毘沙門堂などを自由参拝できるようにする。

 毛越寺は、密閉空間に当たる宝物館で感染防止措置を行いながら拝観休止の準備を進め、1週間後をめどに実施。中尊寺と同様に対面業務を行う全ての施設を休止するが、境内は自由参拝できるようにする。

 町内主要寺院での拝観休止などを受け町では、対面業務を要する町営駐車場や施設内にある公衆トイレを11日から全て閉鎖する。9日の協議後取材に応じた青木幸保町長は「経済活動も重要だが、何より命が一番大事。関係団体はもとより町民が一体で取り組むことでコロナウイルスを撃退していく」と語った。

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