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消えた最後の夏 複雑な思い交錯 全国高総体開催地に波紋【岩手】

全国高総体のハンドボール競技が予定されていた花巻市総合体育館

 全国高校体育連盟が新型コロナウイルス感染症の影響を考慮して今夏の全国高校総合体育大会(高総体)の中止を決めた26日、卓球競技の会場となっていた奥州市、ハンドボール競技が予定されていた花巻市など県内の競技関係者らに波紋が広がった。高校の運動部活動の集大成となる大会が失われることに肩を落とす一方で、生徒や来場者の安全、感染症の現状を考えるとやむを得ないなどの複雑な思いが交錯した。

 今夏の全国高総体は、既に延期が決まった東京五輪・パラリンピックに伴い全国各地で分散開催され、8月11~15日に奥州市総合体育館で卓球競技、同10~15日に花巻市総合体育館と市民体育館、盛岡タカヤアリーナでハンドボール競技が行われる予定だった。

 奥州市は会場にポスターやのぼりなどを掲げ、市民への周知や盛り上げを図ってきた。市卓球協会の柏山徹郎会長は「一番残念なのは子供たちだろう」と心情をおもんぱかった上で、「協会も選手強化を図ってきたが、成果を発揮する機会がないことになる。ただ、関東や近畿など強豪のいる地域で予選を開けない現状でもあり、中止はやむを得ない」と理解を示した。

 これまでに全国規模の大会や国際大会を開催し、「ハンドボールのまち」と称される花巻市もPR事業に力を入れてきた。市ハンドボール協会の中島昭博会長は「花巻では東日本大震災後の全国選抜大会が中止となった経緯があり、その支援への恩返しとして成功させようと準備してきた」と落胆。「高校生にとっては大きな試練だが、乗り越えてできればハンドボールを続けてもらいたい。事態が収束した時には中学生、高校生の思い出づくりの形ができれば」と語った。

 何より、地元で開催される大会への出場を目指してきた選手や指導者にとっては無念の決定となった。卓球男子団体で8年連続全国高総体出場中の専大北上の野田春輔監督は「出場が決まっていた3月の全国選抜大会の中止で部員ともどもこの流れを予想していた。残念だが致し方ない」と受け止め、「岩手インターハイを一緒に戦おうと入部してくれた子もいる。つらいが選手のことを第一に考え、特に卓球を続けるのは高校までという子たちに向き合っていかなくては」とやるせない思いを吐露した。

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