マスク寄贈の輪広がる 反物使い手作り、福祉事業所3カ所に 和賀さん【北上】
北上民舞踊協会長の和賀八千代さん(82)=北上市上野町=は、浴衣用の反物を使って手作りしたマスクを、同市二子町にある福祉事業所3カ所にプレゼントした。マスクはコロナ禍でいまだに品薄状態なだけでなく、各事業所では利用者の日々の作業で多くを消費する。和賀さんは「少しでも皆さんの役に立ち、助けになれば」と願う。
和賀さんは普段、舞踊などを指導しているが、新型コロナウイルスの影響でここ数カ月は活動を自粛。そんな中、娘がマスク作りを始めたことから、自身も仕事柄多く所有する生地を使って2月ごろから少しずつ作り始めた。
踊りの生徒たちの協力もあって、こつこつと作りためたマスクは数百枚に。連絡を取り、必要だと手を挙げた地元の老人ホームや参与を務める日本民謡協会などにも贈った。
「普段から交流があるので、感謝の気持ちを伝えたかった」と今回寄贈した事業所は、あけぼの(市橋博施設長)、とばせ園(髙橋守園長)、北上アビリティーセンター(赤坂良幸所長)。11日には関係者があけぼのに集まり、和賀さんからそれぞれ50~70枚ほどのマスクを受け取った。
市橋施設長は「製品の販売の時などに使わせていただく」、髙橋園長は「気遣ってくれる人がいることがうれしい」、一足早く8日に寄贈を受けた赤坂所長は「しっかりと仕事で恩返ししたい」と謝意を示した。
毎日マスク作りを続けている和賀さんは、「コロナの混乱で時間があるし、幸い材料の反物もたくさんある。希望があれば他の事業所にも贈りたい」と意欲的だ。