一関・平泉

コロナに負けず音楽授業 マスク、手袋着用で演奏 手話交え工夫も 修紅短大【一関】

新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、ビニール手袋を着けて演奏する修紅短大の幼児教育学科1年生

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、一関市萩荘の修紅短大で幼児教育学科の鈴木美樹子教授が授業に工夫を凝らしている。合唱はマスクをしたまま手話を付けて小声で歌い、演奏ではビニール手袋をはめて楽器に触れる。飛沫(ひまつ)や接触による感染リスクを極力抑えながら、学生たちに音楽の楽しさを体感させている。

 13日の授業「基礎音楽」では密集、密閉、密接の「3密」を防ぐため、同科1年生34人が2グループに分かれ、1グループは音譜の読み方、もう1グループは演奏と合唱に取り組んだ。

 このうち、演奏と合唱ではマスクとビニール手袋を着用。タッチベルとキーボードで童謡「かえるの合唱」を演奏したほか、教育実習を控えた2年生によるピアノ伴奏に合わせてカホンと手拍子を打った。さらにタンバリン、うちわ太鼓を鳴らし、手遊び歌「あたま・かた・ひざ・ポン」を教え、最後に手話を付けながら小声で合唱した。

▲新型コロナウイルスの感染対策としてマスクを着け、学生から離れてマイクを手に指導する鈴木教授

 鈴木教授は「隣の人とくっつかないでください」と呼び掛け、学生同士の距離に配慮しながら指導。「拍を数える。まずは体で感じて」「手拍子を打つとライブ感が出る」とリズムを体感させる一方で、合唱では手話を交えながら心を込めてゆっくりと表現する間も取り、「何もない“無”の時間を大事にしよう。子供の頃にこの時間があると全然違う」と教育現場に立つ学生の意識付けを図った。

 同短大は新型コロナの影響による政府の緊急事態宣言を受け、4月20日から今月6日まで休校し、授業も休講となっていた。「基礎音楽」は2020年度2回目となり、小野寺紗来さん(18)は「タッチベルやカホンなど、高校までは触ったことのなかった楽器を演奏できた。拍の大切さを知り、難しく考えていた楽器の見方が変わった」と話した。

 鈴木教授は同短大で30年以上続いたファンタジックコンサートの指導でも、生の体験や学生の自主性を重視してきた。「歌えなければ手話に変え、楽器を鳴らせなければリズムを感じる。学生が音楽を楽しめなければつまらない」としながら「先生は童謡や童歌を歌えないと苦しい。手遊びも本来は『密』になってやるもの。昨年までの授業とは全然違うが、遊びにではなく資格を取りに来ているという目的意識を学生にしっかり持たせて教える」と語っている。

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